留学で中国語は話せるようになる?[国内の勉強では無理?]

語学と留学
PexelsによるPixabayからの画像

「留学したから中国語が話せるようになったの?」

「やっぱり、留学しないと話せるようにならないね」とよく聞かれます。

そして、「日本で勉強しているだけでは語学はできるようにならないの?」という疑問もあったりします。

結論から言うと、留学しなくても国内でも充分話せるようになります。というか、今の時代なら国内学習で話せるようになることがより一層可能になったので、スゴイ!と思います。

今回のブログでは自分の経験をもとに、それらを考えてきたいと思います。

当ブログ運営者は、大河ドラマを見ることが趣味の、就労ビザを専門としている行政書士です。

また、旅行の添乗員、中国語の全国通訳案内士でもあります。

大好きな大河ドラマと、資格を基にしている仕事や、語学の経験をブログで情報発信しています。

中国語学習についての自己紹介

まず、私の中国語学習歴などについて、ですが。

  • 学生時代から特に語学が好きではない。話せたらカッコイイなとは思ってはいたが、苦手意識あり。
  • でも大学で近代史に関心をもち、中国語圏に留学したいと思い始める。
  • それで中国にトータル1年半くらい語学留学を経験。
  • 留学中は中国語を使いボランティアで1年ほど日本語を教える。
  • その後、中国と香港で営業の仕事を約2年経験。(中国語と日本語半々くらい使う)
  • 日本でも中国と関係ある部署で仕事する。(中国語はメールで使う程度)
  • 中国語関係の資格:中国語検定2級・全国通訳案内士
  • 通訳案内士、インバウンドの添乗員(中国語)の仕事をする。

以上です。

留学で中国語は話せるようになる?

結論から言うと、「留学して語学学校に通っただけ」では話せるようにならないです。

「話せる」というレベルにも、人それぞれ違いがあります。

よく、「あの人、英語ペラペラ、すごい」とか、聞きますよね?

「語学留学しただけ」では、ネイティブとスムーズにコミュニケーション取れるレベルになるのは難しいと思います。(「留学」にもいろいろありますが)

「ちゃんとしたペラペラ」な人は、それなりに机上で勉強し、話し慣れている人だと思います。

そして、中国語に関しては、なまりがキツイ中国人が多く、広東省や香港の人の標準中国語は、聞き取りが厳しいです。

「留学しただけ」では話せるようにならない

まずは、留学中の話です。私は全く中国語がゼロ状態で中国にいきました。

そして半年くらい勉強して、約2年後、再び1年間留学しました。

その2回の留学ですごく感じたのは、1~2年の「語学留学」では、たとえ外国に住んでいても、話せるようにならないということです。(「外国に行けば自然と話せるようになる」とか思っている人は多いのですが)

二回目の留学の時、とりあえず、学校での「話す、聞く」はできていました。

ルームメイトは韓国人でした。その子は私より2つ上のクラスでしたが、彼女とのコミュニケーションで困ることは全くなかったのです。彼女とは気が合って、よく二人で街に遊びに行きました。

自分では上のクラスの人たちや先生との話で困ることがなかったので、一応話せていると思っていました。

学校内では、「ペラペラ話せてうらやましい」と言われましたが、これには驚きでした。他人からはそんなふうに見えるのか?と。

自分では、とりあえずは話せているが、常に「大丈夫か?」という不安はありました。

案の定ですが、間もなく、街の不特定のネイティブと込み入った話ができないことに気付きました。

簡単な会話は大丈夫ですが、込み入ったことが「話せない、聞き取れない」でかなりショックを受けました。

体験談①:中国語を話せるようになる目標を立てる

ともあれ、このままではマズイ!かなり焦りました。

「何とかしよう!しなければ!」と思った私は「どこかで日本語を教えるボランティア」をしようと決意しました。

とりあえず、目標を立て、計画し、ターゲットを決めて、営業しようと思いました。

  • 目標:日常的に日本人と接する仕事で、日本語が必要な人に、中国語で日本語を教える
  • 計画:履歴書、職務経歴書、自己PRを作って、売り込みに行く(接客業の日本語、日本の歴史と地理と習慣、年中行事を教える)
  • ターゲット:ホテルや日本料理店(もし無理なら日本語学校)

体験談②:中国語を話せるようになる為に営業する

さて、幸運にも営業3件目のホテルで話を聞きたいという接客部門のマネージャーと話すことができました。

相手は英語しか話せないネイティヴ中国人でした。

私も簡単な英語と中国語しか話せない為、使い慣れている中国語で、必死に自己アピールしました。

なんとかその熱意が伝わったのか、週に2日ホテル内の日本料理店で働く女性たちに日本語を教えることになりました。

おまけに、外国人スタッフ専用の従業員のレストランで、夕飯を無料で食べても良いからと言われました。

体験談③:中国人ネイティブと話せるようになる

日本料理店で働く女性たちは日本語のテキストを持っていました。しかし、ひらがなとカタカナで五十音を何とか書けるレベルでした。

日本語会話も、簡単な挨拶と少しの単語くらいしか出来ませんでした。

なので、日本語を教える時はもちろん、彼女たちとの雑談でも中国語の練習ができました。

ただで中国語の会話ができて、食費を節約できるなんて!この時は、自分が想定していた成果以上の成功に本当に嬉しかったです。

それから私は1年と少し、このホテルで日本語を教えることになりました。そのお蔭で念願の中国人ネイティヴと話せるようになったのです。

留学するだけで中国語は話せるようにならない

さて、上記、自分の体験談ばかり語ってしまいましたが、ここで少し、「1,2年の語学留学」について思うところをお話します。

一度目の留学の自分を省みたこと、そして留学時代の周りの日本人の方たちを見て思った事ですが、やはり「1,2年の語学留学」しただけでは外国語は話せるようになりません。

以下に「体験談」としての反省と「留学時の提案」を書いてみました。

体験談:留学するだけで中国語は話せるようにならないと思う理由

  • 留学している人の年齢層が若く遊びたい年代。海外で開放的になり周りに流される間に1,2年経ってしまう。
  • 海外で単独行動が怖いため、日本人同士で固まって行動する
  • 日本人とばかり一緒にいるので、実際ネイティブと話しても通じない。そして話すのが怖くなる、その結果、更に日本人とばかりいてしまう(悪循環)

提案:留学して中国語を話せるようになる方法

  • どこに留学しても、日本人はいっぱいいる。環境のせいにせず、周りに流されない自己コントロールできる意思をもつ
  • 最重要事項は自分の目標を達成すること。外国語を話せるようになることが目標で、外国に来ているなら、それを第一に考えて、日本人ともネイティブとも付き合う。
  • お互いを尊重し励まし合える、語学面では良きライバルになる友達を見つける。
  • 出来るだけネイティブと接して自分の話す力と聴く力をレベルアップする
  • 日本から辞書と自分に合った文法・構文の参考書をもって行く。
  • 構文などを暗記して、ネイティブに使ってみる。

国内での勉強では話せるようにならないのか?➡話せるようになる

次に、国内の勉強などで中国語が話せるようになるのか?ということです。

私は、話せるようになりました。

また、通訳案内士の試験に合格することもできると考えています。

自分の体験からお話します。

ブランクがある学習再開は初心者の学習より勇気がいる

私は、中国から帰ってきてから8年くらいのブランクを経て中国語の通訳案内士の資格を取りました。その後、6年のブランクを経てインバウンドの添乗員の仕事を始めました。

外国語学習経験のある方はお分かりだと思いますが、外国語は使わなければ、ほぼ忘れます。多分外国語でなくても、例え、得意な事でも数年使わなければ忘れたり、できなくなったりするのです。

ですので、数年のブランクは、私にとって「初心者の頃の学習」よりも恐ろしいものでした。

「前にできていたことが出来なくなっている」これは、かなり心が折れます。

おまけに「自分はかなり努力して中国語が話せるようになった」「通訳案内士の資格がある」にも関わらず、

「この文法(単語・構文)忘れている!」

「聞き取れなくなっている!」

「話すのがこわい!」

などを経験し、余計恐ろしくなった事もありました。

それでも、その度にコツコツ根気強く中国語をやり直しました。

そして、日本での学習で中国語の仕事が出来るようになり、全国通訳案内士の試験に合格しました。

国内での勉強があったからこそ語学力がスキルアップした

中国に留学して、話せるようにはなりましたが、私の中国語の基礎は日本での独学にあると思っています。

中国にいた頃は、辞書で文法や構文を理解する力がなく、日本に帰ってから文法や構文を勉強して、やっと基礎固めができました。留学中、中国で出来なかった事や分からなかったことが、日本での勉強でようやくわかってきたのです。

友達同士で話す、コミュニケーションをとる、交流する、等に重きをおくなら、単語だけでもどんどんネイティブに話しかければ良いと思います。

でも、中国語で仕事する、通訳案内士の資格を取る等の目標があるなら、文法など机上の勉強は必要不可欠です。文法、構文、語彙力で基礎固めをしていないと、語学のレベルは上がりません。

これは中国語だけでなく、他の言語にも言えることだと思います。

語学を使って仕事している人の共通点:勉強場所関係なく基礎固めしている

私は今まで英語に強い人に出会うことが多かったです。会社勤務時代も添乗員、通訳案内士、行政書士の仕事でも、英語を武器に仕事している人と交流してきました。

その人たちと語学について話していますが、皆同じことを言っています。

語学ができる人のお話の共通点
  • 文法の基礎固めは重要
  • 日本語能力も大切

日本語で言えることしか外国語では言えません。また、日本語でできる仕事しか外国語でもできないと思います。これは、当り前のことかもしれませんが、日本語能力が重要です。

日本語で「楽しい」と感じられる仕事、根気のいる努力してもやりたいと思える仕事は、難しくても外国語で出来るようになります。

一番大切なのは、文法の知識、語彙力、リスニング能力です。それらの基礎をしっかりと時間をかけて鍛えておくことです。そうすることに、場所はかんけいありません。国内で勉強しても、海外で勉強しても同じです。

それに、今の時代ならネットを使ってリスニング力を鍛える事ができます。ひと昔に比べ、国内学習で話せるようになることが、より一層可能になったのでスゴイ!と思います。

ネット学習は本当に便利で手軽な方法です。私もネットを使っての勉強を経験したら、是非ブログで進捗報告したいと思っています。

留学で中国語は話せるようになる?国内での勉強では無理?:まとめ

最後に、結論をまとめてみました。

  • 1,2年の語学留学しただけでは中国語は話せるようにならない
  • 留学は目標をもって考えて行動しなければ、周りに流されてしまうので注意する
  • できるだけネイティブと接して話す力と聴く力をつける
  • 文法、語彙力、リスニング能力を身に付ける(学習場所は関係ない)
  • 国内の勉強だけでも中国語(外国語)は充分話せるようになる
  • 国内の勉強だけでも通訳案内士の資格は取れる

上記の他、中国語の勉強について、国内での独学の勉強方法や通訳案内士の勉強など、別のブログでご紹介しています。仕事に活かせる勉強方法や中国語の仕事についても書いています。ご興味のある方は是非ご覧ください。

そして、余談になりますが、私が中国留学で得た一番の財産は「勇気を出して行動する習慣が付いた」事でした。そのブログもご覧頂ければうれしいです。

このブログが読んで下さった方のお役に立てましたら幸いです。