通訳案内士の仕事って、どんな仕事があるの?どうやって仕事を探すの?
私が通訳案内士の試験に合格した時、これらが最大の疑問でした。
合格後、通訳案内士団体が行う説明会に行ったり研修会に行ったりしました。
しかし、体験談を話す先輩の仕事内容レベルが高すぎて、正直なところ参考になりません。
おまけに体験談を話す先輩は「英語の通訳案内士」。私が取った資格は「中国語の通訳案内士」でした。
今回のブログでは、中国語の通訳案内士の資格を取った後、経験した「アテンド通訳」とその準備についてお話をします。
そして、最初に書いた、「どんな仕事があるの?」「どうやって仕事を探すの?」(中国語)についてもご紹介します。
当ブログ運営者は、大河ドラマ視聴歴40作品以上で、大河ドラマを見ることが趣味の就労ビザを専門としている行政書士です。
また、旅行の添乗員、中国語の全国通訳案内士でもあります。
大好きな大河ドラマ、資格を基にしている仕事、語学の経験をブログで発信しています。
添乗員の実務経験があると通訳案内士(中国語)の仕事は多い
まずは、前置きですが。
最初に書いた、
「どんな仕事があるの?」
「どうやって仕事を探すの?」
についての回答です。
➡アテンド通訳(観光・買物・送迎・クルーズ含む)
インバウンド添乗員(中国語圏のお客様と日本人のお客様が混在するツアーの添乗員)
どうやって仕事を探したか?
➡通訳案内士やインバウンド添乗員の仕事を紹介してくれる、専門の人材紹介会社に登録した(3か所くらい)
実は、私は通訳案内士になる前に添乗員の資格を取りました。通訳案内士になった時に「有利である」と通訳案内士関連のガイドブックに書いてあったからです。
この「有利である」という事は、絶対に本当です。添乗員の経験が数か月しかなかったのに、通訳案内士資格取得後、アテンド通訳(観光・買物・送迎・クルーズ含む)、インバウンド添乗員の仕事を次々紹介してもらえたからです。
資格があるだけでなく、実務で旅程管理(添乗員業務)ができる通訳案内士は、いまだに少ないと思われます。
ましてや、中国語です。「添乗員の経験」と「通訳案内士の経験」の両方がある人は、めったにいませんでした。
今後の中国語圏のインバウンド需要を考えても、仕事に困らないのではないでしょうか?ですので、通訳案内士の方は添乗員の資格を取って、1、2ヶ月だけでも添乗業務されていたらお仕事の紹介がすごく増えると思います。
アテンド通訳について
ところで、通訳案内士の資格のある人には、通常の通訳案内士業務(観光通訳)だけでなく、アテンド通訳の仕事を紹介されるようです。
アテンド通訳は、内容の幅が広いです。送迎のみの初心者向けの仕事もありますが、通訳する場面が多い同行ツアーの通訳の仕事もあります。
個人的には、インバウンドの添乗員よりは怖く無い仕事で、ひと安心でした。アテンド通訳はインバウンドの添乗員よりは、人数が少なく移動の範囲は狭いと思われるからです。
ですが、「アテンド通訳」は、高いコミュニケーションスキルと、おもてなし精神が必要です。
それはそうと、、アテンド通訳されるときは、具体的には以下のような準備をしておくと良いと思います。
- 移動がスムーズにできるように下調べをして、可能であれば手配しておく
- 移動中の車内での会話を用意する
- どんなお食事がご希望か確認しておく
アテンド通訳の仕事内容は?
さて、アテンド通訳のお仕事の幅は広く内容的にはいろいろあります。通訳案内士の初心者向けではない仕事内容もあります。
以下に、多いと思われる初心者向けの「アテンド通訳」の仕事をまとめてみました。
- 海外からのお客様を空港までお迎えに行く
- 目的地までお側に付いて同行する(最初は港から新幹線の駅、空港から新幹線の駅、バスへの載せ込みだけや、移動の同行のみの仕事もある)
- 車の手配、お食事の手配
- ご希望に沿う施設やお土産屋を同行して探す
- ホテルへの送迎
私の体験談アテンド通訳
それでは、次に、私の体験談、アテンド通訳のお話です。
日程は3日間。お仕事内容は、空港からホテルの送迎、空港での国内線移動、フリータイム同行のアテンド通訳でした。
フライト、空港、ホテルに関することは聞いていましたが、それ以外の情報がほとんどありません。おそらく、出会ってすぐに確認しなければなりません。
中国の青島付近からの、若いお客様、6名様です。
今回の仕事で心配なことは?
それはそうと、私が一番心配していたのは「中国語の聞き取り」でした。広東省や香港からのお客様ではないので、これは、とりあえず大丈夫そうでした。
その他の心配はフリータイムでした。でも、フリータイムの同行は最終日です。出会った時に希望を伺い、次の日に関空から新潟への国内線乗せ込み後、調べれば何とかなると思いました。
初日に、もし時間が余っても、案内できる良さそうなお店も見つけておけば、その場で対応できます。
とにかく、あまり緊張しすぎるのは良くない、と自分に言い聞かせました。
今回の下見と準備は?
ところで、今回のアサインを頂いた後、関空へ行って下調べをしました。何度も行っている空港でしたが、何が有るかわかりません。「念には念を入れよ」です。
それと、国内線への移動もあるので、伊丹空港にも行きました。
- 交通機関の時間調べ
- リムジンバスへの誘導と出発時間
- 国内線の移動(関空から伊丹へ移動して、実際の所要時間、外の景色など確認)
- 両替とトイレの場所、トイレの種類の確認
- お土産店、ホテルの近くにあるお店の種類の確認(時間が余りそうなスケジュールだったので、お客様の年齢層や性別にあったお店を調べる)
- 誘導や移動にかかる所要時間を確認
- お店の観光用パンフレットを集める
下見やリサーチでは、添乗員としての実務が役に立ちました。
しかし、結果的にはここまでしなくてもよかったのですが、「念のため」、何が起こるかわからないので調べました。
今なら災害関係、緊急時のことも確認した方が良いかもしれません。
アテンド通訳:当日
さて、いよいよ当日!かなり緊張していました。
青島からの6名のアテンドです。きれいな中国語だろうし、子供含む若者なので変な無理は言わないだろうと思いました。
でも、やはり緊張していました。
当日もやっぱり何度も下見をする
関西空港に到着するまで何度も誘導シュミレーションをして、いうべきことを何度も呟いていました。関空に到着後、先日も下見したのに、またも下見に出ました。
ホテルまでのリムジンバスの乗り場、夜ごはん用のお店等の再確認しました。そんなことをしているうちに、飛行機が到着する時間が近づいてきました
想定外のハプニング
定刻に到着した飛行機でしたが。ですが、思いがけないことに、飛行機到着後1時間経ってもお客様は出てきませんでした。これは想定外の出来事でした。
不安な時間が続きました。自分の経験でも、仕事の経験でも、こんなことは初めてでした。
1時間以上経って電話がかかってきました。「今から出て行く、ホテルまでのバスの時間大丈夫か」とのこと。なぜ出てこなかったのか、結局よくわかりませんでした。他の乗客もなかなか出てこなかったのです。
しばらくして、乗客が一斉に出始めて、お客様も無事に出て来られました。
やれやれ、よかった!ってかんじです。
集合時間と場所は目と耳で確認してもらう
今回のお客様は、みなさんとても感じが良い方々でした。特に代表者の方、話しやすい方で助かりました。
中国語わかりやすいし、性格合いそう!挨拶、自己紹介、トイレ、体調、今日この後の予定、お金等いろいろ確認しました。
「想定外事件」のせいで時間はけっこうつぶれました。でも、バスの時間まで少しだけ余裕があったから、しばらく自由時間にしました。
集合時間と場所を口頭で言ってから、添乗で使っていたホワイトボードに集合時間と場所を書いて見せました。
相手がたとえ日本人でもこれは重要です。お客様はこちらが思っているほど、ホントーに聞いていません。
このホワイトボードが気に入ったのか、記念写真とりまくっていました。私も、当然ながらシャッターを押してあげました。
トイレの確認も忘れずに
集合時間になるまでに、多少のお買い物のお手伝いがありました。
バスの時間が迫ったので、再度トイレの確認をしました。今回はホテル近いし、バスの中にトイレあったので大丈夫です。
お客様の中に、小学生の男の子がいたのですが、「トイレ付バス」にえらく感心していました。
明日は伊丹空港への移動です。新潟で行われるイベントに参加され、数日後、伊丹空港から関空に戻られます。そして中国に帰られる日程です。
想定外の夜ごはん
ところで、今日は関空からホテルへの送迎とお食事のアテンドです。事前にホテル周辺のお食事場所で良さそうなところをピックアップしておきました。
更に、ホテルからの所要時間も実際自分で歩いて確認し、中国語のメニューの有無も確認済みです。
時間があれば、予算確認したり、お客様が食べられないものが分かれば、それを除いた案内もするつもりでした。ですが、今回はできませんでした。
ホテルに行くときに、ご飯をどうしたいか聞きました。
そしたら「疲れたので、部屋で食べたい」とのこと。「えっ!?あんなに事前準備したのに?」心の中で叫びました。
更に、「日本のコンビニに行きたい、楽しみにしていた!」とのこと。みんな笑顔でいうので、私も苦笑いしながら「ホテルに荷物置いて行きましょう」というしかありませんでした。
コンビニですごく楽しそうにいろいろ選んでおられるお客様です。おにぎりやカップ麺、パン等のまったく一般的なものばかり、かなりの量買われていました。
ホテルに戻って、チェックアウトの確認や時間の確認をして、思いのほか、何事もなく別れました。
アテンド通訳:2日目以降
さて、次の日、朝ホテルにお客様を迎えに行きました。皆さま、お元気そうで、何も問題なかったとのこと。その後、伊丹空港へ移動しました。
国内線のチェックイン等をお手伝いして、搭乗ゲートまでお見送りしました。会社に業務報告して、またも、あっけなく業務は終了しました。
数日後、お客様をお迎えに伊丹空港へ。今日は観光のアテンド通訳があります。
この数日間、中国語の先生に相手になってもらい、この数年のブランクを埋めるべく特訓しました。
しかし、お出迎えした時のお客様のお顔は大変疲れていらっしゃいました。新潟でのイベントで頑張りすぎたようでした。
想定外の「観光なし」
お疲れをねぎらいつつ、本日の予定のご希望を確認しました。
すると、なんと!「疲れたので観光なしで」とのこと。
またも、想定外のこと!「えっ!?あんなに事前準備したのに?」と心の声が聞こえます。
ともかく、ごはんは関空近辺で食べるとの事なので、とりあえず伊丹空港から関空へ。
お昼ご飯も関空内のお店で良いとの事。荷物を預けるロッカーを探して、お昼ご飯の通訳などしました。お昼ご飯が終わり、お土産店をブラブラしたり、休んだりしていました。
何だかあっという間にチェックインに程よい時間が来ました。そして、何事もなく皆さまは帰国されました。
ともあれ、仕事は無事終了しました。久しぶりの通訳案内士のお仕事には、今回のお客様は、本当に良いお客様で、幸運でした。
関空で休んでいる時に、青島のお話や、新潟でのイベントのお話をしてくださいました。青島のお土産も頂いたり、「いろいろお世話になりました。楽しかった、ありがとうございました。」と言って頂けました。
青島に到着した後もメールを頂いたりしました。嬉しかったです!
アテンド通訳の下見と準備:まとめ
今回のブログでは、最初に通訳案内士(中国語)のお仕事には
どんな仕事があるのか?
どうやって仕事を探したか?
についてお話しました。
また、添乗員の資格を取った方が、通訳案内士のお仕事ももらいやすい事もお伝えしました。
そして、体験談の通訳アテンドのお話もしました。
今回ご紹介したお話では、下見や準備が役に立つ事はほとんどありませんでしたが、アテンド通訳や通訳案内士の仕事をする時は、下見や準備はしっかりと、不安がなくなるまでされた方が良いでしょう。
それと、アテンド通訳は、業務内容の幅が広いです。
インバウンド添乗や、通訳案内士のツアー業務の基礎になる仕事も多く、高いコミュニケーションスキルとおもてなし精神も身に付きます。是非、「アテンド通訳」をたくさん経験してください。
このブログが読んで下さった方のお役に立てましたら幸いです。