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今回のブログでご紹介するのは、2011年大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」です。
主人公の江は、歴史上、とても有名な浅井三姉妹の末っ子です。
三姉妹の母は、天下一の美女と名高い、織田信長の妹お市。更に三姉妹は、豊臣秀吉、徳川家康とも縁が深く、特に江の夫は家康の嫡男秀忠です。
江は三度嫁ぎ、後に徳川幕府三代将軍家光の生母となります。江の血筋は、現在の天皇家、徳川将軍家、公家に引き継がれていくという、非常に稀有な女性です。
そのあたりのことにもブログで触れています。
長女の茶々(淀殿)は豊臣秀吉の側室としてとても有名です。
ですが、私は、実は江の方が、淀殿よりも波乱万丈で、類い稀な存在と言えるのではないかと思っています。
それはそうと、この作品には2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」で主人公豊臣秀長を演じる、主演の仲野太賀さんが、「豊臣秀頼」役を好演されています。
是非ご覧頂きたい作品です。
当ブログ運営者は、大河ドラマ視聴歴40作品以上で、大河ドラマを見ることが趣味の就労ビザを専門としている行政書士です。
また、旅行の添乗員、中国語の全国通訳案内士の経験もあります。
大好きな大河ドラマ、資格を基にしている仕事、語学の経験をブログで発信しています。
- 2011年大河ドラマ大河ドラマ第50作「江~姫たちの戦国~」番組DATA
- お市の方と浅井三姉妹が登場する過去の大河ドラマ5作品
- 2011年大河ドラマ「江 ~姫たちの戦国~」の主要キャスト
- 2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主役仲野太賀が演じた秀頼
- 「江~姫たちの戦国~」浅井三姉妹の関ケ原
- 「江~姫たちの戦国~」浅井三姉妹の大阪の陣
- 2011年大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」お市の方と浅井三姉妹:まとめ
2011年大河ドラマ大河ドラマ第50作「江~姫たちの戦国~」番組DATA
まずは、大河ドラマ記念すべき第50作にあたる「江~姫たちの戦国~」の番組DATAからご覧ください。
放送期間:2011年(平成23年)1月9日~11月
原作/脚本:田渕久美子
主な舞台地:江戸、尾張、三河、近江 など。
初回視聴率:21.7 %
最高視聴率:22.6 %
平均視聴率:17.7 %「NHK大河ドラマ大全 50作品徹底ガイド」 より抜粋
お市の方と浅井三姉妹が登場する過去の大河ドラマ5作品
次は、お市の方と浅井三姉妹が登場する過去の大河ドラマ5作品をご紹介します。
ここでは、以下のような作品を集めています。
・なるべく三姉妹が活躍する作品(「江~姫たちの戦国~」除く)
・お市の方と茶々(淀殿)のみがクローズアップされる作品は除く
お市の方と浅井三姉妹が登場する大河ドラマ前半3作品:感想など

① 1981年「おんな太閤記」お市と三姉妹
まずは、主人公が豊臣秀吉の正室ねねが主人公の「おんな太閤記」から。ねね役は佐久間良子さん。
はかない美しさの中に芯の強さを秘めたお市の方と、気高くも恐ろしい美しさのある茶々でした。
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② 1983年「徳川家康」でのお市と三姉妹
次に、主人公が徳川家康の「徳川家康」です。上品な家康を滝田栄さんが演じました。
「おんな太閤記」でお市の方を演じた夏目雅子さんが、「徳川家康」では茶々を演じています。
個人的には夏目雅子さんは「お市の方」のイメージですが、「徳川家康」の茶々が史実に一番近いのでは?と思ってしまった演技力とストーリー展開でした。
③1989年「春日局」でのお市と三姉妹
続いて、主人公が徳川三代将軍家光の乳母春日局。大原麗子さんが演じる「春日局」です。
この作品で、少女時代の初を演じたのは宮沢りえさんです。母想いの発言で、わがままで気の強い姉茶々をたしなめていました。
ところで、成人した初役はすごく美しい松原智恵子さん。松原さんは1973年の大河「国盗り物語」ではお市の方の役を演じています。
お市の方と浅井三姉妹が登場する大河ドラマ後半2作品:感想など
④ 2000年「葵 徳川三代」での三姉妹
さて、次に、主人公が徳川家康と秀忠の「葵 徳川三代」です。徳川家康役は津川雅彦さん。徳川秀忠役は西田敏行さん。
この作品は秀吉が亡くなった時からドラマが始まるので、お市の方は出てきません。
淀殿役の小川真由美さん、江役の岩下志麻さんは、これまでの大河ドラマでは、共に気性の激しい、強い、恐ろしい役が印象的でした。どんな姉妹になるのか楽しみにしていました。
岩下さんが今までよりもかなり柔らかい、三枚目で可愛い江だったので嬉しく思いました。波乃久里子さんの初と共に期待通りの三姉妹でした。
⑤ 2023年「どうする家康」でのお市と三姉妹
まだ記憶に新しい松本潤さんが主人公徳川家康を演じた「どうする家康」です。
二人の妹初と江は姉茶々を怖がっているのか、姉妹の情があまり感じられませんでした。
北川景子さんの個性と演技力を発揮したお市と茶々の二役は素晴らしかったです。やはり北川景子さんはかっこいい!と感激しました。
2011年大河ドラマ「江 ~姫たちの戦国~」の主要キャスト
さて、続いては「江 ~姫たちの戦国~」の主な出演者を、関連するストーリーや人物関係、そしてドラマの感想も含めながらご紹介します。
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2人の父と母お市の方、そして浅井三姉妹
江:上野樹里(近江小谷城主浅井長政と織田信長の妹お市の3女。佐治一成、豊臣秀勝、徳川二代将軍秀忠の正室。三代将軍家光の生母。秀吉の側室になった姉茶々と敵対する立場になる。)
淀(茶々):宮沢りえ(浅井長政とお市の長女。両親の仇と思った豊臣秀吉の側室となり豊臣秀頼を生む。)
初(常高院):水川あさみ(浅井長政とお市の次女。名門京極家の京極高次への思いがかなって正室となる。)
市:鈴木保奈美(浅井長政の正室。茶々、初、江姉妹の母。織田信長の妹。本能寺の変後柴田勝家と再婚。)
浅井長政:時任三郎(近江小谷城主浅井家の三代目で最後の当主。織田信長と同盟を結ぶがのちに対立し自害。)
柴田勝家:大地康雄(織田家筆頭家老。本能寺の変後織田家復興の為お市と結婚。秀吉との戦に負け市と共に自害。)
三姉妹の父浅井長政と母お市の方
まずは、三姉妹の父と母について。元々は、お市は兄信長を愛していました。浅井家に嫁ぐのも、戦に行く気構えだったのです。
「兄の為に」その思いしかないお市です。そして、浅井家に信長を裏切るような異変があれば、兄信長に知らせるのが自分の役目と覚悟していました。
ですが、小谷城に到着してすぐ、長政と二人で琵琶湖を見に行きます。
「強い人が好きだ」という長政は、兄信長の為、お市が信長の捨て石となる覚悟に気付いていました。その「覚悟」を「強い」と感じ、お市に惹かれる長政。
長政はお市に、この国と民を愛して欲しいと言います。お市は「私に隠し事をしないでください。兄に知らせなければならないので。」と言います。
そして、近江の民を慈しむ誠実な長政を愛するようになったお市の方。しかし、恐ろしい現実がやって来ます。長政から朝倉に付いて信長と敵対する決心を告げらたのです。
お市はとても迷います。信長に浅井の離反を知らせることが出来ないほど長政を愛してしまったのです。
見かねたお市の乳母が小豆の袋を作って信長に送るよう言いますが、それを投げ捨てるお市。
そして長政に「何故、あなた様は兄ではなく自分を選べと仰せにならないのですか?」
「私の望みは兄信長の妹として生きる事ではなく、あなた様の妻として生きる事でございます」と言い切ったのです。
それはそうと、別ブログで、お市の方のご紹介しています。ご覧頂ければ嬉しいです。

離反した浅井長政!信長の危機
さて、「「江~姫たちの戦国~」のお市の方は長政の裏切りを信長に伝えません。ですが、信長は命がけで撤退し、事なきを得ます。
浅井長政が信長を裏切りをお市が信長に知らせるか否か。そして1570年(元亀元年)に起きた、金ヶ崎の戦いは、信長の命がけの撤退戦ということで、大河ドラマでもよく出てきます。
この信長が命がけの撤退戦については、別ブログで、歴代の浅井長政と、信長の危機関連「小豆の袋」、「金ヶ崎の戦い」でご紹介しています。ご覧頂ければ嬉しいです。
秀吉の天下取りを阻む為勝家に嫁ぐお市、勝家にヒドイ態度の茶々と初
次に、二度目の父、柴田勝家と母お市の方、そして三姉妹についてです。
お市は信長亡き後、天下取りの野望を露骨に見せ始めた秀吉を許せません。浅井長政の小谷城を攻め、長政を自害に追い込んだのは、秀吉だったので、お市と三姉妹は「秀吉憎し!」でした。
秀吉の天下取りを阻む為、織田家の天下を秀吉に渡さない為、お市は柴田勝家に嫁ぐことにしたのです。
しかし、父浅井長政を慕う茶々は絶対に承服できない様子。父の事をよく覚えている茶々と初が勝家を受入れられないのは当然と思います。
でも、江は違います。江は実の父の記憶がなく、おまけに誰かを「父上」と呼んだことがないのです。
それはそうと、もう一つ、ちょっと困った事もありました。
勝家のお市と三姉妹に対する言動です。主家の女性を迎える態度で、ひたすら低姿勢、へりくだる物言い。お市の方が直して欲しいといってもな直りません。
お市と三姉妹が北ノ庄の城に入った後もその状態は続きました。
そんな勝家、お市、三姉妹の心に変化があったのは、ある事件がきっかけでした。
是非、北ノ庄での場面を見て頂きたいです。
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二度目の父柴田勝家と母、三姉妹の幸せな北ノ庄でのひととき
実は、個人的に、お市が柴田勝家と再婚し共に北ノ庄で果てるまでの物語が、この作品の中で一番好きです。ちょっと、不自然な展開もあるとは思ってしまいますが、大好きです。
お市が、「秀吉の天下取りを阻む為」ではなく、勝家を心から受入れ、妻となり仲睦まじく生活を送る場面。初めは勝家に対し、露骨に酷い態度を見せる茶々と初が勝家を父として慕う場面。
そして、ある事件の後、江と勝家の絆が生まれる場面。家族団らんで語り合ったり、刺繡を父から習ったり。出陣の前にお市と三姉妹が勝家と言葉を交わす場面。
何度見返してもジーンときます。
是非、是非、北ノ庄での場面を見て頂きたいです。他の大河ドラマには出てこない、お市の方と柴田勝家、三姉妹の幸せなひとときです!
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歴代の茶々とイメージが違う聡明な姉の茶々
ところで、茶々は大変聡明で、芯が強く物静か。責任感が強く妹たちを自分が守る覚悟があります。良い事は良いし、悪い事は悪い。大変常識がある優等生です。
人の気持ちのわかる大変まともな女性というのが私の印象でした。
「まとも」という表現を使ってしまうのは、歴代の茶々の印象は「無駄に気位が高い」、「偉そう」、「意固地」、「復讐心強い」、「エキセントリック」、「無邪気」、「わがまま」等。
印象が、「まとも(普通)」ではないのです。
特に、北政所ねねを目の敵にするところが腹立たしいのです。そんなかんじの歴代の茶々は良くない形容詞が並ぶキャラでした。
しかし、「江~姫たちの戦国~」の茶々は、これまでの茶々の印象とはずいぶん違うと思っています。ただ、秀吉に恋をする展開は観たくない部分でしたが。
それ以外は優等生な茶々に注目し、この茶々がどのように豊臣家を滅ぼしてしまう結末に結びつくのか大変興味深いところでした。
関ケ原の戦いが終わった頃から茶々は変わっていくのですが。
それはそうと、茶々に関しても別ブログでご紹介しています。ご覧頂ければ嬉しいです。
のちに姉茶々と妹江を結び付ける、実は頼もしい存在の姉初
江と初の関係は、江と茶々の関係とはまったく違って見えます。茶々はしっかりしていて真面目でとても賢い、常識的な女性です。本当に理想の「姉」でした。
なので、江にとっても茶々は「姉上」。しかし、初は江からは「姉さま」と呼ばれていて、当初はとっくみをしたりじゃれあったりして、どこか友達っぽい雰囲気です。
ある意味、初が一番、今の現代でもいそうなタイプに思えました。お菓子やきれいな着物が大好き、イケメンに惚れっぽい。
ですが、時が経ち、お互いが違う家の人間になり、豊臣と徳川が対立する立場になってくると、初の存在は非常に頼もしくなってきます。
それは、江にとってだけではなく、茶々にとってもです。母お市の遺言通り姉と妹を結び付ける初なのです。
関ケ原の戦いや大坂の陣でも、初は自分の信じた道に従って言動する、強くかっこいい、今までにない初でした。姪の千姫や甥の秀頼に寄り添う優しい叔母でもありました。
ところで、結婚にしても、戦国時代には珍しくお互い思いを寄せ合った相手と結婚します。初は京極高次に一目惚れしますが、なかなか素直になれず、高次とは結ばれないと悲観したりします。
また、高次が、初の大好きな菓子が苦手だったり、自分と家の為に自分の姉を側室に差し出すような男が嫌いだと初が言ってしまったり。ちょっとした紆余曲折もあります。
ですが、めでたく結ばれる初と高次でした。
江とかかわりの深い戦国の三英傑
織田信長:豊川悦司(お市の兄。三姉妹の伯父。今川義元を桶狭間の戦いで破り徳川家康と同盟。足利義昭を奉じて入京。天下統一を目指す。)
豊臣秀吉:岸谷五朗(もと尾張の農民。織田信長の家臣。のち天下人になり江を3度嫁がせ茶々を側室にする。)
徳川家康:北大路欣也(江の三度目の夫秀忠の父で江の舅。豊臣政権下最大の大名。のち江戸幕府初代将軍。)
・歴史的場面に都合よく顔を出す展開
・歴史上の大人物に面白いと厚遇される
・歴史上の大人物から天下大事を託される
江が憧れ崇拝する伯父信長

江は秀吉の政略の道具にされ三度の結婚を強いられる
当然のことながら、母お市の方と浅井長政、柴田勝家、二人の父を攻めて自害させた秀吉を浅井三姉妹は憎んでいました。
江は宝を持っているような気がするという家康
それはそうと、江はドラマの当初から家康とは顔なじみでした。
本能寺の変の時は家康と共に伊賀越えをするという、またも「ありえない」場面が出てきます。
それはともかく、家康も信長同様江を高く評価していました。
江と秀忠の婚礼話が秀吉より出た時、家康は「徳川家の為になる縁談」といいました。江は秀忠に輿入れするのは3度目の結婚になります。しかも年も秀忠より6歳も年上で子持ちです。
それでも、家康は江に秀忠の嫁に来て欲しいと望みます。
何故か?「秀忠の本心をあなたに引き出して欲しいのです」という家康。
そして「あなたは宝を持っているような気がする」と。
またも、出た!そのセリフ、信長も江に言っていました。
「その宝を我が徳川家に下さらんか?」
リアルタイムで観ていた時は「なにそれ?また、そのせりふ?」と思いました。
しかし、のちに江の血が皇室、将軍家、公家の血筋に交わることを思うと、家康や信長は未来を当てる言葉を発していたのだ。ドラマのセリフには良いのかも??と思ったりしました。
ところで、北大路欣也さんの家康は上品でカッコ良すぎでしたが、この「江~姫たちの戦国~」の家康にはぴったりでした。
特に、関ヶ原合戦後の家康は天下取りに目標を定め着実に、駒を進める威厳に満ちた家康。まさに、「天下人徳川家康」。
天下取りだけではなく、その後の事も考えている権謀術数に長けた老獪な政治家でした。
江の三人の夫:引き継がれる江の血筋、天皇陛下のご先祖様
佐治一成:平 岳大(江の最初の夫。織田信雄の家臣。尾張大野城主。母は信長の妹で三姉妹の従兄。のち江と離別させられる。)
豊臣秀勝:AKIRA(江の2番目の夫。秀吉の姉の子。秀吉の命により結婚するが、もともと秀勝と江は互いに想いを寄せていた。江は秀勝の姫を身ごもるがその子の顔を見ず陣中で病死する。)
徳川秀忠:向井理(徳川幕府2代将軍。江の3番目の夫。徳川家康の3男。江との間に2男5女がある。)
それはそうと、歴史上では江の一番上の姉茶々の方が有名です。
ですが、私は江の運命と後世に残した血筋を思うと、江の存在が大変興味深く、「すごい!!」の一言で終わらないと思いました。
以下の2つの辞典からすると、江戸時代の天皇、明正天皇だけでなく、今の天皇陛下にも引き継がれているとの事。
明正天皇
一六二九―四三在位。幼称は女一宮。諱は興子(おきこ)。後水尾天皇の第二皇女、母は皇后和子(東福門院)。嫡出の第一子で、将軍徳川秀忠の外孫にあたる。
下にあるWeblio辞書「崇源院」の「江(崇源院)が昭和天皇の先祖である」との記述をご覧ください。
この記述からすると、江は、今上天皇である、第126代徳仁天皇陛下のご先祖様ですよね。
ということは、江、お市の方、浅井長政だけではなく、
何と!戦国の三英傑、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が天皇陛下のご先祖様!ですよね。
つまり、江は織田信長の姪。豊臣秀勝は豊臣秀吉の甥。徳川秀忠は徳川家康の三男。
江と豊臣秀勝との間に生まれた姫、完。江と徳川秀忠との間に生まれた、三代将軍家光と三女で越前藩主・松平忠直に嫁いだ勝姫の血筋が、五摂家の九条家で一つとなります。
そして、大正天皇の皇后である貞明皇后は、九条家の出身で、昭和天皇の母君です。
崇源院
系譜:江戸幕府第3代将軍・徳川家光の母であり、後水尾天皇の中宮和子の母で明正天皇の外祖母である。一方、家光、豊臣秀勝との間の完子、および秀忠との間の勝姫からは大正天皇皇后の貞明皇后に連なる。したがって昭和天皇の先祖となる。
江と豊臣秀勝:似た者同士で相思相愛の二人
江は、最初の夫佐治一成に好感を抱き始めたというのに、秀吉に離別させられてしまいます。今後も江は秀吉に人生を振り回されっぱなしです。
ですが、そのわりには、三人の夫は良い人ばかりで幸運だったかもしれません。
ところで、二番目の夫は秀吉の甥、秀勝です。
江と秀勝はお互い好意を抱く相手でした。明るく、思ったことを口にできる性格もよく似ていました。
二人はとても良い雰囲気で楽しそうです。そこに、微妙に秀忠が関わってくるのですが、これもまた「ありえなさそう」な場面だと思います。
それは、ともかく、江と秀勝は相性がとても良い感じがして観ていてテンポが良い二人に見えます。
利休が切腹する前、江はこっそり利休に会いに行くのですが、その時に秀勝も会いに行く段取りに手を貸してくれます。
秀勝と江はお互いにとってとても大切な人でした。その二人がめでたく結婚という運びになるので、観ている方も大変嬉しかったのですが。
その幸せは長くは続かなかったのです。秀勝は戦場で病死してしまいます。江との新婚生活はすごく短かったのです。
嘆き悲しむ江でしたが、江には秀勝の子が授かります。その子がやがて、江の血筋を名門の公家、そして皇室にも受け継いでいく一翼を担う「完」なのです。
江と秀勝は短い縁だったのに、本当にすごくまれな素晴らしいご縁だったのだと思います。
江と徳川秀忠:火事から江と江の大切な品を救い出す秀忠

江と徳川秀忠:実は江を愛しとても大切にしている秀忠
浅井三姉妹に関わる武将たち
京極高次:斎藤工(初の夫。母は浅井長政の姉で三姉妹の従兄。本能寺の変後、名門京極家再興の目標の為秀吉に姉龍子を側室に差し出しす。互いに思いを寄せ合っていた初と結婚。)
明智光秀:市村正親(織田家家臣。将軍家の足利義昭と織田家のパイプ役となる。のち信長に謀反し秀吉との戦に敗れる。)
石田三成:萩原聖人(豊臣秀吉の側近。三姉妹と同じ近江育ち。秘かに茶々を慕い、のちに三成を関ケ原の戦いへと駆り立てる。)
大野治長:武田真治(母は茶々(淀)の乳母大蔵卿の局。豊臣家存続の為尽力するが願いかなわず大阪城落城。秀頼に殉じた。)
本多正信:草刈正雄(徳川家家臣。三河松平氏の譜代の家臣。家康の信任厚く徳川政権の中枢を担う。秀忠の教育係でもあり成人した後も秀忠を支える。)
江と茶々(淀)に関わる豊臣家の人々
おね・北政所・高台院:大竹しのぶ(豊臣秀吉の正室。織田信長も賞賛した賢婦人。父母の亡き後の三姉妹を温かく迎えた。)
なか・大政所:奈良岡朋子(豊臣秀吉の母。尾張中村の貧しい農民。嫁おねとの仲は円満。ともに秀吉の天下取りを支える。)
豊臣秀長:袴田吉彦(豊臣秀吉の弟。秀吉の右腕で、数々の戦で活躍した武勇だけでなく政治的な調整役も果たす人格者。大和郡山城主。)
豊臣秀次:北村有紀哉(豊臣秀吉の甥、養子。子に恵まれなかった秀吉の後継者となるが秀頼誕生で悲劇的な最期を迎える。)
完:山本舞香(豊臣秀勝と江の娘。江が徳川家に嫁ぐ時は豊臣家に残され淀に養育される。のち名門九条家に嫁ぐ。)
豊臣秀頼:太賀(仲野太賀)(豊臣秀吉と茶々の第2子。大坂夏の陣で徳川軍に攻められ母淀と共に自刃。)
千:忽那汐里(徳川秀忠と江の長女。7歳で11歳の従兄秀頼に嫁ぎ大阪城に入る。大坂夏の陣では祖父に秀頼母子の助命嘆願するも聞き届けられなかった。)
戦国の世に翻弄されながら強く生きた人物
京極龍子・松の丸殿:鈴木砂羽(豊臣秀吉の側室。母は浅井長政の姉で三姉妹とはいとこ同士。弟は京極高次。)
細川ガラシャ:ミムラ(明智光秀の娘。名門細川家の嫡男忠興と結婚。キリシタンの洗礼を受けガラシャとなる。)
福:富田靖子(徳川家光(竹千代)の乳母。明智光秀の家臣斎藤利三の娘。父の仇豊臣秀吉を憎んでおり徳川家が豊臣家を滅ぼす事を期待している。)
足利義明:和泉元彌(室町幕府15代将軍。信長を頼り上洛し将軍となるが、のち京から追放される。)
千宗易・利休:石坂浩二(茶人。織田信長、豊臣秀吉に仕える。秀吉の黄金の茶室を設計し「北野大茶湯」を仕切った。)
徳川が豊臣を滅ぼすと固く信じている竹千代の乳母福(春日局)
ところで、ようやく5人目にして、やっと跡継ぎの男の子を授かった江。
喜びも束の間。何と、乳母の福がやってきて、竹千代と名付けられた世継ぎの男の子を連れて行かれてしまいます!
以来、福は江に対して明らかに出過ぎた振舞いをします。度が過ぎるその言動ですが、その理由が明らかになります。
福はかなり豊臣を恨んでいることを江に告げます。そして、何と竹千代の乳母になったのは徳川が豊臣を滅ぼすと固く信じていたから等と、突然恐ろしい事を言うのです。
瞬きせずじっと見ながら恐れを知らぬ言動をとる福は不気味で不快。身分をわきまえない無礼者です。
「大殿様の命にのみしたがいまする」、「そういえば、お方様も秀吉の養女だったのですね」という福は、尋常な人と思えません。
それはそうと、福、すなわち春日局を主人公にした1989年「春日局」の大原麗子さんの福。それと、2000年「葵徳川三代」の樹木希林さんの福はどちらも大好きでした。
特に主人公が、春日局で、演じるのが大原麗子さんの福はすごかったです。
美しくてかっこいい、数々の苦労に耐えに耐え、家族と徳川将軍家の為に人生を捧げたお福、素晴らしかったです。
今回の福は遺憾極まりなく。無念。
尚、別ブログで「春日局」をご案内しています。ご覧頂ければ嬉しいです。
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2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主役仲野太賀が演じた秀頼
さて、「江~姫たちの戦国~」には、2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主役仲野太賀さんが、豊臣秀頼役で出演されています。
今までに観た大河ドラマの秀頼の中で、私は、この作品の秀頼が一番印象深く、かっこいいと思えました。
今回の作品で仲野太賀さんの事を知ったのですが、その後も太賀さんのドラマを見た時はその演技力や人間的魅力に感心していました。
なので2026年の大河ドラマで主演の豊臣秀長を演じると知り、心から嬉しく感激でした。
特に私が好きな秀頼の場面は、二条城で家康と対面するシーンです。実は「うつけ」との噂もあった秀頼。
家康に会った秀頼は、家康に会いに来たのは詫びを言う為だったと言います。
秀頼は家康に「何を」詫びるのか?詫びると言いながら、家康を威圧するようなまなざしは、挑戦的にも見えました。
秀頼の堂々とした態度と思慮深さ、相当の覚悟も感じ取られます。画面にくぎ付けになります。
あの北大路欣也さん演じる家康を真っ直ぐ見つめ瞬きせず強く決意を示す仲野太賀さんの秀頼。
この秀頼の成長ぶりには家康はかなりの危険を感じたはずです。
この家康と秀頼の対面シーンは必見です!
もちろん、この場面以外にも大坂の陣あたりには、太賀さんの演技に引き込まれる場面が多いので、是非ご覧頂きたいです。
それはそうと、2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」について別ブログでご紹介しています。ご覧頂ければ嬉しいです。
「江~姫たちの戦国~」浅井三姉妹の関ケ原
それでは、ここからは三姉妹にとって辛い戦の話になります。
三姉妹にとって、この関ケ原は、小谷城落城、北ノ庄落城に続き、三度目の戦いです。
と言っても、茶々は大阪城で、江は江戸城で、戦の成り行きに心を痛め心配するしかなかったのです。実際に、戦火をくぐりぬけ、戦ったのは次女の初でした。
石田三成が挙兵し、上杉攻めに向かっていた家康も全軍を西へ向けました。秀忠は途中、上田城の真田幸村を攻め、苦戦を強いられていました。そして、なんと!秀忠は、関ケ原に遅参したのです。
大津では両軍の板挟みにあった高次が、途中で徳川方に付いたのです。そして、初も高次と共に大津城に籠城し、甲冑に身を包み戦いました。
茶々から文が届き、三成と和議をし共に徳川と戦ってほしいという内容でしたが、初は断ります。高次の決めたことに従うと。
ですが、結局高次は徳川の援軍が来る前に降伏します。そして、そのことを恥じて高野山に謹慎してしまいました。1600年9月15日、関ケ原の戦いの日の早朝のことでした。
さて、大津城に入った家康は、初に会い西軍をくい止めた礼を言います。そして若狭一国8万5千石を拝領することになるのですが、初は当然の事と言ってのけます。
ご存じの通り、関ケ原の戦いは徳川方(東軍)の大勝利となり、秀忠も高次も無事でした。
対豊臣に関しての意見が分かれる家康と秀忠
ところで、関ケ原の戦いに負けた石田三成(西軍)。
捕らえられた三成は、茶々の為に関ケ原を戦ったと暗に秀忠に告げます。そして、秀頼君と淀殿を守って欲しいと秀忠に遺言します。
戦後の挨拶で茶々に会いに来た家康と秀忠。その時、三成の最後の様子を伝える秀忠。茶々は家康を敵対視しているようですが、秀忠のことは信用している様子です。
この頃から、家康を見る茶々の目が恐ろし過ぎます。
そして、茶々が更に不信感を募らせる衝撃的な事が起こります。家康が征夷大将軍になったのです。
家康は「天下を狙う等考えてはおらぬが、ただ、淀殿には目を覚ましてもらわねばならぬ」と恐ろしい目で言います。
さて、秀忠の考えは?
「徳川家康という男が動く限り自分も動かされ続ける」と嘆き、徳川の跡継ぎに生まれた運命を呪うのですが、しかし!
「秀頼様が関白となり自分が将軍としてお支えする」という決意を固めていました。
ですが、家康は、豊臣と徳川が共に天下を治める等は当然ながら、頭にありません。
それはそうと、初は病死した高次の遺言で、茶々の元に行きます。関ケ原の時の高次は豊臣にも徳川にも味方し、また裏切ったという事を大変後悔していました。
死ぬ間際、高次は初に豊臣と徳川を結び付けて欲しいと頼むのです。それで自分は救われると。
「何かあれば、姉と妹を結び付けるのじゃ」という事は、お市の方の遺言でもありました。
「江~姫たちの戦国~」浅井三姉妹の大阪の陣
さて、高次の遺言で、初が茶々の元に行った時にはもう遅く、茶々は「徳川憎し!」になっていました。
「徳川に対する恨み憎しみは消えることはありはせん!いずれ徳川が滅びる日までな」誰にも止められない勢いで家康を憎んでいる茶々。
茶々の執念深く恐ろしい形相にかつての聡明な美しさは無くなっていました。
茶々は秀頼の天下を望み、江は天下の太平を願った
ところで、家康に将軍職を継ぐように言われた秀忠でしたが、それを断り、何と、家康の嫡男をやめるとまで言い出します。
しかし、江と秀忠は熱海の湯につかりながら考えました。「秀頼がこの世を治めることが良い事なのか?」と。
江と茶々とでは、望んでいることが違うのです。茶々は「秀頼に跡を継がせたい」。
江と秀忠は「天下の太平。そしてそれは秀頼で良いのか?」
茶々は幼いころから「聡明」な優等生キャラな人物なのに、なぜそれが分からないのか?と、私も思います。
家康の言葉が印象的に心に残ります。
「淀殿はとこしえに夢を見ている。長い夢から覚めてもらわねば」
そして、ついに、江は秀忠に言うのです。「将軍になって下さいませ。豊臣とか徳川でなく私は天下を太平にしたい。」
秀忠は、将軍を継ぐと言いつつ、成長した秀頼が天下を継ぐにふさわしいと思ったらそのように動く、とも言うのです。
このドラマの秀忠は聡明で情のある、自分をよく分かっている人だと感心しました。
秀忠が二代将軍を継ぐと知った茶々は怒り狂います。
「江は何をしておったのじゃ!秀忠殿はなぜ断らぬ」
茶々は合戦も辞さぬ勢いです。
やはりこの世の太平より、息子が大事で権勢を誇りたいのか?理性を失った茶々がとても残念でした。
茶々は残念でしたが、涙目で怒る茶々の迫力は凄まじく、宮沢りえさんの演技力は素晴らしいと感動しました。
茶々の最期、妹たちとの別れ
秀忠は、秀頼とともに豊臣と徳川が並び立ち世を治めていくと考えています。そして秀頼もそれを望んで、戦を避けようとしていました。
ですが、家康と茶々はお互いを滅ぼす事しか頭にありません。とうとう、江と秀忠の願い虚しく、戦が始まってしまいました。大阪冬の陣です。
「この戦終わる時、それは家康が死ぬときじゃ」と茶々。
「豊臣の息を止めるのよ」と家康。
姉茶々と姪の千姫に付き添っている初は、意固地になり戦を止めようとしない茶々を説得しようとするも、全く聞き入れない茶々でした。
ですが、徳川の攻撃は凄まじくさすがの茶々も、徳川方の和議の申し入れを受ける事にしました。そして、その和議の使者に初を立てます。
共に天下を治めていくと考えていた秀忠と秀頼でしたが、大阪冬の陣を経た秀頼の心にも変化が起きます。
一方、家康の本心を知った秀忠は、淀殿と秀頼を説得する為、大阪城に入ります。しかし、結局は、自分の生き方を貫き通す茶々と秀頼。最期は落城する大阪城で自害するのです。
茶々は初と別れる時に「母上のように逝きたいと思う」と言います。
そして、今まで豊臣と徳川の間で心を痛めさせたことを初に詫びます。そして、江にも辛い思いをさせた、と。
お市のように死んでいった茶々は、昔の聡明な美しい茶々に戻っており、死を選ぶことで楽になったのかと思えました。
2011年大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」お市の方と浅井三姉妹:まとめ
さて、今回のブログでは、2011年大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」をご紹介しました。
主人公は、戦国史上、有名な浅井三姉妹の末っ子江です。
江をめぐる父母や二人の姉、そして信長、秀吉、家康との関りもご紹介しました。
また、江の夫と江の血筋がたぐいまれな引き継がれ方をしている事にも少し触れています。
それと、この作品には2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」で主人公豊臣秀長を演じる、主演の仲野太賀さんが、「豊臣秀頼」役を好演されています。
私は、この秀頼がとても好きです。今まで見た大河ドラマのどの秀頼よりも、強く素晴らしい秀頼でした。
2011年大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」、実は姉茶々よりも波瀾万丈な人生を送ったと思ってしまう江の物語。
そして、秀頼を好演されている仲野太賀さんを是非ご覧頂きたいです。
このブログが読んで下さった方のお役に立てましたら幸いです。
2011年大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」ブログ:出典
・アイキャッチ画像:「滋賀県の道の駅にてお市の方と浅井三姉妹」Poly Summerさんによる写真ACからの写真
・「NHK大河ドラマ大全 50作品徹底ガイド」 NHK出版
・「プレイバックNHK大河ドラマ時代・人物・トピックス別徹底ガイド」 NHK出版
・ジャパンナレッジ 国史大辞典
・Weblio辞書「崇源院」
・NHKアーカイブス大河60作品一覧
・「江~姫たちの戦国~」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・完結編)NHK出版