1999年大河ドラマ「元禄繚乱」豪華キャストと赤穂浪士たち!

大河ドラマ

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今回のブログでご紹介するのは、1999年大河ドラマ「元禄繚乱」です。

この作品は、大河ドラマの「忠臣蔵」関連作品の4作目で、大河ドラマの主演を演じた俳優さんが多数出演されている超豪華キャストです。

それだけでなく、ストーリーもハラハラドキドキ感が止まらないストーリー展開!「赤穂浪士の討入」だけに留まらない、新しい視点から描かれています。

登場人物の印象も今までの「忠臣蔵」とちょっと違います。

中村勘九郎さんの親しみを感じる大石内蔵助。苦難と困窮の中で、もがきながら1つの目標に向かう赤穂志士たち。

そして、生真面目すぎる浅野内匠頭(東山紀之)と上品で憎めない吉良上野介(石坂浩二)。

一方、策謀を巡らす柳沢保明(村上弘明)や討入を阻む色部又四郎(松平健)と水面下で対峙する大石内蔵助。

それはそうと、吉良上野介の役の石坂浩二さんが、2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重~」では、松平武元役で出演されます。

「元禄繚乱」【TSUTAYA DISCAS】DVDレンタルで全編視聴可能です!また、 大河ドラマ「元禄繚乱」はU-NEXTでも12月14日より視聴可能予定です。是非ご覧ください。

当ブログ運営者は、大河ドラマ視聴歴40作品以上で、大河ドラマを見ることが趣味の行政書士です。

大好きな大河ドラマ、資格を基にしている仕事、語学の経験をブログで発信しています。

  1. 1999年大河ドラマ大河ドラマ第38作「元禄繚乱」番組DATA
  2. 「元禄繚乱」は大河ドラマ主演経験者が多数!超豪華なキャスティング
    1. 「元禄繚乱」は大河ドラマ主演経験者が多数!まだ主役をしていない3人は?
  3. 1999年大河ドラマ「元禄繚乱」主なキャスト
    1. 「元禄繚乱」大石家周辺のキャスト
      1. 人間味に溢れ、情があり、懐が深い大石内蔵助良雄:中村勘九郎(十八代目中村勘三郎)
      2. 人間味に溢れ、情があり、懐が深く、頭目の器と感じる大石内蔵助の場面
      3. 内蔵助に良く仕えた気丈な妻りく:大竹しのぶ
      4. 討入参加を父に必死に頼み見事裏門の首領に!大石主税良金:中村七之助
    2. 「元禄繚乱」赤穂藩浅野家周辺のキャスト
      1. 真面目であるがゆえに時代になじめない浅野内匠頭:東山紀之
      2. 夫内匠頭の無念を晴らす事を願う妻阿久利(瑤泉院):宮沢りえ
      3. 脱盟し内蔵助が衝撃を受けた進藤源四郎:柄本明
    3. 「元禄繚乱」赤穂浪士たち!(四十七士)キャストの面々
      1. 表門組(24名)首領:大石内蔵助
      2. 吉良邸茶会の日程を突きとめた大高源五忠雄:辰巳琢郎
      3. 上方から命がけで江戸入りした矢頭右衛門七教兼:今井翼
      4. 苦しみながら吉良邸絵図を手に入れた岡野金右衛門包秀:葛山信吾
      5. 裏門組(23名)首領:大石主税
      6. 剣客の誉れ高い義士随一のスター堀部安兵衛武庸:阿部寛
      7. 内匠頭の墓前で帰参を許された不破数右衛門正種:杉本哲太
      8. 商人として情報収集で活躍!神崎与五郎と前原伊助
    4. 「元禄繚乱」赤穂討入脱落者たちキャスト
      1. 江戸急進派の中心だったが口が災いし脱落!高田郡兵衛:堤真一
      2. かわいそうで涙した萱野三平と、非業の最期を遂げる田中貞四郎
    5. 「元禄繚乱」吉良家、上杉家周辺のキャスト
      1. 上品で憎めない吉良上野介:石坂浩二
      2. 何が何でも藩を守りぬく冷徹な策士色部又四郎:松平健
      3. 養父上野介の為に剣の腕を磨く貴公子吉良左兵衛義周:滝沢秀明
      4. 藩主の立場と肉親への情で心引き裂かれる上杉綱憲:宅麻伸
    6. 「元禄繚乱」柳沢家、徳川将軍家、幕府周辺のキャスト
      1. 将軍綱吉と己の野望の為に討入をさせたい柳沢出羽守保明:村上弘明
      2. 運命に翻弄されるが大胆不敵な野心家となる染子:鈴木保奈美
      3. 忠嗣を実の父と慕う柳沢伊勢守吉里:安達心平➡浅利陽介➡高橋一生
      4. 内蔵助と赤穂浪士にとって重要人物仙石伯耆守久尚:滝田栄
    7. 「元禄繚乱」その他のキャスト
      1. オリジナルキャラながらも重要人物な岡島忠嗣:吉田栄作
  4. 大河ドラマ「元禄繚乱」見どころ(当然の見どころ以外)
    1. ドラマ冒頭出会い友情が生まれる内蔵助と色部。柳沢の陰謀をどうやって潰す?
    2. 「赤穂浪士」と関係ない岡島忠嗣と染子がドラマを面白くする
    3. 蝮のような吉良は上杉家の仇!?吉良家と上杉家の結び付き
    4. 元々内匠頭を気に入っていた吉良①:内匠頭の一度目勅使饗応役は成功
    5. 元々内匠頭を気に入っていた吉良②:内匠頭の華燭の典にも出席
    6. 柳沢と染子の野心が打ち砕かれる!柳沢は57万石取り潰しの大謀略へ突き進む
    7. 決裂宣言に来た安兵衛についに討入の決意を告げる内蔵助
    8. 吉良邸討入の目的を確認した円山会議!固く結びつく同志たち
    9. 赤穂浪士と知らず矢頭右衛門七(今井翼)と友になる吉良義周(滝沢秀明)
    10. 大石内蔵助の綿密で用意周到な作戦の数々①その綿密さ故に討入の大成功があった
    11. 大石内蔵助の綿密で用意周到な作戦の数々②:生きていく上でのヒントになります
    12. 徳川綱条の名を騙り内蔵助と会う将軍綱吉①:内蔵助の人物
    13. 徳川綱条の名を騙り内蔵助と会う将軍綱吉②:堂々と意見する内蔵助!
  5. 1999年大河ドラマ「元禄繚乱」豪華キャストと赤穂浪士たち!:まとめ①
  6. 1999年大河ドラマ「元禄繚乱」豪華キャストと赤穂浪士たち!:まとめ②

1999年大河ドラマ大河ドラマ第38作「元禄繚乱」番組DATA

それでは、最初は、大河ドラマ「元禄繚乱」の番組DATAをご覧ください。

放送期間:1999年(平成11年)1月10日~12月12日
脚本:橋田壽賀子 
主な舞台地:赤穂、江戸、京都、山科など。
初回視聴率:25.0%
最高視聴率:28.5%
平均視聴率:20.2%
NHK大河ドラマ・ストーリー「元禄繚乱(前編)」「NHK大河ドラマ大全 50作品徹底ガイド」 より抜粋
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「元禄繚乱」は大河ドラマ主演経験者が多数!超豪華なキャスティング

次に、「元禄繚乱」は、大河ドラマ主演経験者が多数出演している超豪華な作品としても有名です。下の枠にまとめてご紹介します。

   吉良上野介役石坂浩二 「天と地と」(上杉謙信役)、「元禄太平記」(柳沢吉保役)
 ・浅野内匠頭役東山紀之 「琉球の風」(楊啓泰役)
 ・柳沢出羽守保明役村上弘明 「炎立つ」の第二部(藤原清衡役)
 ・仙石伯耆守役滝田栄 「徳川家康」(徳川家康役)
 ・石束源五兵衛役中村梅之助 「花神」(大村益次郎役)
 ・細川越中守役菅原文太 「獅子の時代」(平沼銑次役)
 ・公弁法親王役中村橋之助 「毛利元就」(毛利元就役)
 ・吉良義周役滝沢秀明 「義経」(源義経役)
 ・矢頭右衛門七の妹さよ役宮崎あおい 「篤姫」(篤姫役)
 ・真田信就役阿部サダヲ 「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(田畑政治役)

出典:「NHK大河ドラマ大全 50作品徹底ガイド」 NHK出版、DVD「元禄繚乱」完全版より

今回、吉良上野介役の石坂浩二さんが、「元禄太平記」では柳沢吉保役で主役。さすが、石坂浩二さんですね!

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「元禄繚乱」は大河ドラマ主演経験者が多数!まだ主役をしていない3人は?

さて、「元禄繚乱」放送当時、まだ大河の主役をされていない3人の方について。

まずは、滝沢秀明さん。3人の中では一番セリフも出番も多く、討入場面にも登場しています。

まだ、とても初々しいです。でも、当然ですが、セリフや刀さばきが「義経」の時と全く違ったので、驚きました。

次に、宮崎あおいさんです。宮崎あおいさんもとても初々しいですが、かわいいだけだったのです!朝ドラ「純情きらり」「篤姫」の主演が素晴らし過ぎたので、驚きました。

そして、極めつけは、阿部サダヲさんです!光る個性と演技力が素敵で、強烈なインパクトのある役が印象的です。

個人的に好きな俳優さんですが、「元禄繚乱」ではすごく普通過ぎて、最初は誰か分かりませんでした。

お三人共、元々才能のある方々だと思いますが、大河ドラマの素晴らしい主演まで、努力されたのだろうと感激しました。

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1999年大河ドラマ「元禄繚乱」主なキャスト

それでは、続いて「元禄繚乱」の主な配役です。カテゴリー別に以下で分けてみました。

・大石家周辺
・赤穂藩浅野家周辺
・赤穂浪士たち
・赤穂討入脱落者たち
・吉良家、上杉家周辺
・柳沢家、徳川将軍家、幕府周辺
・その他の主な人物
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「元禄繚乱」大石家周辺のキャスト

まずは、大石内蔵助と大石家に関係する主なキャストです。

大石内蔵助良雄:中村勘九郎(赤穂浅野家の代々の家老。赤穂四十七士の首領。)
大石りく:大竹しのぶ(大石内蔵助の妻。但馬豊岡藩家老の娘。)
大石主税良金:中村七之助(大石内蔵助の嫡男。討入では裏門組の首領。)
石束源五兵衛:中村梅之助(但馬豊岡藩の家老。りくの父。実家に帰って来た娘や孫の面倒を見る。)
大石頼母助良重:愛川欽也(浅野家家老を務めていた内蔵助の大叔父。内蔵助の後見役。)
おまさ:南果歩(大石内蔵助の愛妾。元は旅芸人。内蔵助の子供を産むがその子は早世する。)
お軽:安達祐実(大石内蔵助の愛妾。遊女にあこがれ廓通いの内蔵助とであう。内蔵助の子を宿す。)
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版

人間味に溢れ、情があり、懐が深い大石内蔵助良雄:中村勘九郎(十八代目中村勘三郎)

まずは、主人公大石内蔵助です。

個人的に、私の最も好きな歴史上の人物は徳川家康と大石内蔵助です。ドラマで見ての大石内蔵助で好きなのは、緒形拳さんと北大路欣也さんです。

ですが、「元禄繚乱」の中村勘九郎さんの内蔵助こそが、本物の内蔵助に近いのではないかと思っています。

例えば、会社勤めしていたら「実は○○課長って良い人よね」等と陰でけっこう褒められている上司はいませんか?「元禄繚乱」の内蔵助は、まさに、そんな人だと思います。

人間味に溢れ、情があり、懐が深い人だったのではないかと。

内蔵助は「昼行灯」とか、「お妾さんがいる」とかちょっと良くない噂される普通の人でした。

ですが、元々は、仕事はきっちりと綿密な計画と責任を持ってやり遂げる、藩と殿に忠義を尽くし、何かあった時も部下にも優しいという、まさに頭目の器だったのでしょう。

「赤穂浪人吉良邸討入」事件で内蔵助のその素晴らしい本性が、世に出て歴史に残りました。

ただ、「遊び好き」だったとは思います。ただし、遊びとやり遂げるべき事の頭の切り替えが上手くできる人ではないか?と推測しています。

廓で遊ぶのは、吉良や上杉の間者を騙す為ではなく、本当に遊びたかったのだと、私は思います。大事を成すためには息抜きをしなければ心身ともに最後まで持たないと思うからです。

人間味に溢れ、情があり、懐が深く、頭目の器と感じる大石内蔵助の場面

それでは、内蔵助が上記のような人だと考えてしまう場面をいくつかあげてみました。

・将軍綱吉によって改易になり赤穂藩にお預けとなった沼田藩の嫡男真田信就(阿部サダヲ)に、「この頃はお取り潰しになる藩が多い。大名も領地を召上げられては路頭に迷いまする。せいぜいかばって差し上げるのが武士の情け」と言って優しく接している。
・お妾さんのおまさやお軽にも自分が死んだ後のことを考え出来るだけの事をしている。
・備中松山藩の城請け取りや赤穂開城城明け渡しで評判になる活躍をしている。
・城に残った公金の分配を上には薄く下には厚い配分にした。
・最後に内匠頭と高取峠で別れる時、内匠頭が内蔵助に同行を求めたのに一緒に江戸に行かなかったことを「取り返しのつかない事をした」と後悔する優しさ。
・失敗は許されない討入の為に目的をはっきりさせておき、更に、討入の支度や計画の綿密さは見事過ぎる。
・岡野金右衛門(葛山信吾)、前原伊助(小倉久寛)、堀部安兵衛(阿部寛)、奥田孫太夫(六平直政)等、人を死なせてしまった同志、大けがをした同志等、苦しむ同志たちの心に寄り添う懐の深さがある。

内蔵助に良く仕えた気丈な妻りく:大竹しのぶ

りくは「武士の妻、母の鑑」です。気丈で立派な女性で、夫と息子が死に向かって進んでゆくという過酷な運命を受入れます。

私が一番好きなりくの場面をご紹介します。

但馬豊岡へ別れに来た主税が、4,5日中には戻らなければならないと母と祖父に告げました。

しかし、りくからは、「明日立ちなさい。里心が付かれたらかないません」とキツイ言葉が出ます。江戸に出立する日が迫っているのに、このようなところでのんびりとしている暇はないはず、と。

主税が討入に加わることを、あんなに反対していたのに。立派な女性だと思いました。

更に、弟たちが、お坊さんや他家の養子になると知り、情けない心持ちがすると落胆する主税に、

「そなた、何を申しておるのじゃ?おじい様が後のことを考えて取り計らって下さったこと。よろしゅうお願い致しますると父上の分まで礼を言うのが筋というものではないか」

と、厳しい口調で諭します。やはり、大石内蔵助の奥さんだなと感動しました。

ところで、大竹しのぶさんが大河ドラマで演じられた「獅子の時代」の千代、「徳川家康」の於大の方がとても好きでした。

二人とも、芯のしっかりしたした女性。過酷な運命に負けません。

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討入参加を父に必死に頼み見事裏門の首領に!大石主税良金:中村七之助

大石主税は、藩士たちが親子で神文血判盟約に加わっているのを見て、自分も父内蔵助と共に盟約に名を連ねたいと思っていました。

しかし、内蔵助もりくも、主税の討入参加を望んでいませんでした。

江戸に下るまでは、父の動向を心配し、母や弟、妹を案じ、また、お軽の存在を腹立たしく思いながらも、健気に父を見守っていた主税。

しかし、討入がいよいよ本格化するとなった時、

但馬豊岡の母には、討入を反対していたのに「これまでのように甘えた心持ちではなりませぬぞ。」と厳しく激励されました。

そして父からも「江戸へ立てばもはや親子ではない。殿の復讐を誓ったただ一人の赤穂の浪士として扱う」と討入する同志として認められます。

結局は、反対していた両親に励まされ討入に参加。更に、吉田忠左衛門が後見となり、見事、裏門組の首領になります。

それはそうと、本当の親子の中村勘九郎さんと中村七之助さんが、内蔵助と主税の役を演じられるのも見どころの一つになると思います。

1988年大河ドラマ「武田信玄」で、太郎義信の幼少時代を演じていた中村七之助さん。とてもかわいらしいです。「武田信玄」「元禄繚乱」は私が最も大好きな作品です。是非、ご覧ください。

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「元禄繚乱」赤穂藩浅野家周辺のキャスト

次は、赤穂藩浅野家周辺の人々です。

 浅野内匠頭長矩:東山紀之(播州赤穂藩藩主。2度目の勅使饗応役を務めていた時刃傷事件を起こす。)
阿久利(瑤泉院):宮沢りえ(浅野内匠頭の正室。広島浅野宗家の分家の姫。夫婦仲は大変良い。)
 浅野大学長広:赤坂晃(浅野内匠頭の弟。兄夫婦の養子になる。)
大野九郎兵衛:山口崇(赤穂藩の敏腕家老。藩の分配金関連の件で夜逃げをした。)
進藤源四郎:柄本明(赤穂藩足軽頭。大石内蔵助の叔母婿。途中で脱盟する。)
進藤七郎右衛門:加藤武(安芸浅野本家用人。本家に影響が及ばぬように奔走する。)
奥野将監:寺田農(赤穂藩組頭。内蔵助を補佐し浪士の中核であったが脱盟する。)
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版
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真面目であるがゆえに時代になじめない浅野内匠頭:東山紀之

儒学者で兵学者の山鹿素行の「武士たるものは清廉潔白で、人間の理想的鑑でなければならぬ」との教えに感銘し、彼の生き方はバブル期の元禄の世とは相いれなくなっていく

「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編)NHK出版

まずは、浅野内匠頭についてです。内匠頭と吉良の出会いは最初の勅使饗応役の時でした。その時から、内匠頭は吉良を好きになれませんでした。

「それがしにはこの上なく親切にしてくださったが、同役の土方殿(草見潤平)には気の毒なほど邪険に!」と浮かない様子の内匠頭。

生真面目な内匠頭にはえこひいきをしたり、田舎大名を虐める吉良が好きになれるわけないのだと思います。

阿久利が「長矩さまは吉良様に好かれたのでございます」と言うと、「あのような方に好かれても、、、。」と憂鬱そうな内匠頭。

しかし吉良は内匠頭を気に入り、阿久利との華燭の典にもやって来ます。吉良や上杉綱憲、幕府の重鎮等そうそうたる出席者を招いての婚礼にも華美にするなと言う内匠頭。

家老の進言よりも自分の信念を貫くのです。ちょっと融通が利きません。

婚礼でも傾倒する山鹿素行先生のことを吉良に悪く言われかなり不機嫌になります。

内匠頭が尊敬する山鹿先生の教えは、元禄の時代や幕府政治には合わないのですがそれが納得いかない様子。

ところで、阿久利との婚礼前、内蔵助に阿久利と褥を共にすることをすすめられると、「汚らわしい!」と怒ります。

この、自分を曲げない潔癖さ、生真面目で一途なところが、吉良上野介の性質とも、元禄という時代とも合わなかったのではないか?と私は思いました。

夫内匠頭の無念を晴らす事を願う妻阿久利(瑤泉院):宮沢りえ

内匠頭切腹後は瑤泉院と称して実家の三次藩の江戸赤坂下屋敷に住み夫と浪士たちの供養と、島流しにされた浪士の遺児たちの赦免運動に尽力

出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編)NHK出版

ドラマの最初の方に登場する阿久利は、無邪気で明るく、内匠頭の事がとても好きなのが伝わってきます。

しかし、内匠頭は真面目で潔癖すぎます。結婚後も生真面目な堅物タイプの内匠頭との仲を内蔵助に相談する阿久利。

そんな阿久利に大きな不幸がやって来ます。「松の廊下事件」です。

阿久利は、一目も内匠頭に会うことなく内匠頭が切腹するという悲惨な事になります。

さて、松の廊下事件後、内蔵助に、瑤泉院は内匠頭の凶変をどのように考えたら良いか分からない。と打ち明けます。

世間や屋敷内でも内匠頭が、短慮である、家名断絶、家臣が路頭に迷うことは分からなかったのか等の批判があると。

しかし、内蔵助は「殿はこらえにこらえられたと思います。」と言います。

「ならば、吉良が憎い!」と瑤泉院。

瑤泉院は内蔵助にこそ殿の敵討ちに立って欲しいと言いました。

それはそうと、討入前に内蔵助が瑤泉院に挨拶に来る場面は?

雪の降る中、内蔵助は瑤泉院から預かっていた化粧料を返しに来ます。使い道を記した帳面とともに。

そして、瑤泉院の屋敷に潜んでいるかもしれない吉良や上杉の間者に用心し口上せず、討入することを知らせる文を帳面の間に隠しておきます。

赤穂藩足軽頭。大石内蔵助の叔母婿にあたる。内蔵助のために山科に隠居先を用意するなど尽力するが、次第にその行動を危ぶむようになり、結果として脱盟。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編)NHK出版
続いて、進藤源四郎です。個人的には、内蔵助と一緒によく廓通いをしていた「遊び仲間」という印象です。
内蔵助は、自分の親戚ということもあり、何でも話しやすいと思っていたのかもしれません。討入の事も、廓の事も公私に渡って内蔵助が頼りにしていたように思います。
しかし、個人的にですが、源四郎は他の浪士と討入に対する温度差がある印象がありました。そして、やっぱり!ですが。内蔵助が討入を決意してから様子が変わります。
円山会議に参加しなかったり、内蔵助を避けたり、叔父進藤七郎右衛門に説き伏せられたり。
もしかしたら、進藤源四郎はけっこう早い段階から討入する気はなかったのかもしれません。
討入は命や家族の命、浅野御本家の運命もかかっていますので、迷ったり脱盟しても不思議ではないですが。
源四郎殿には抜けて欲しくなかった、と内蔵助は他の誰より残念がっていました。

「元禄繚乱」赤穂浪士たち!(四十七士)キャストの面々

さて、いよいよ、四十七士の面々をご紹介します。

討入した赤穂浪士47名は、表門と裏門に分かれ吉良邸に攻め込みました。

表門組(24名)首領:大石内蔵助

堀部弥兵衛金丸:牟田悌三(三代の藩主に仕えた江戸留守居役。討入決行に情熱をかける。赤穂同志中最年長。)
原惣右衛門元辰:井川比佐志(内蔵助の命を受け御家再興の為働くが、実は仇討ちの思いの方が強い。)
大高源五忠雄:辰巳琢郎(関西急進派の中心。吉良邸茶会の日程を突き止める。)
片岡源五右衛門高房:橋爪淳(9歳から内匠頭の近習となる。内匠頭に寵愛され当初から仇討ちを誓う。)
神崎与五郎則休:三浦浩一(内蔵助に最も信頼されていた藩士。吉良邸なる偵察の中心人物。)
岡野金右衛門包秀:葛山信吾(吉良邸の情報収集に尽力し吉良邸絵図を手に入れる。)
矢頭右衛門七教兼:今井翼(勘定方だった父の遺言で赤穂浪士に加わる。大石主税に次ぐ年少者。)
奥田孫太夫重盛:六平直政(江戸急進派。堀部安兵衛と同門の剣の達人。)
早水藤左衛門満堯:真鍋敏宏(刃傷事件の第一報を江戸からわずか4日半で赤穂に伝えた。) 
岡嶋八十右衛門常樹:村井克行(原惣右衛門の実弟。開城の際は藩札引き換えの責任者として尽力。)
冨森助右衛門正因:西川鯉之亟(討入後、一党を代表して大目付仙石伯耆守に直訴する。)
武林唯七隆重:碇浩二(先祖は孟子の末裔である中国からの帰化人。その出自を誇りととする江戸急進派。)
貝賀弥左衛門友信:遠藤剛(内蔵助の信任厚く神文を託され義盟参加の意志を確認する大役を果たす。)
間重治郎光興:勝亦正(間喜兵衛の長男。討入では吉良を発見し一番槍の栄誉を得た。)
吉田沢右衛門兼貞:猿若裕貴(吉田忠左衛門の嫡子。吉良方の偵察や同志たちの連絡役を務めた。)
近松勘六行重:マギー(知略と人望を兼ね備え、内蔵助の信頼も厚かった。)
勝田新左衛門武堯:田中栄一(中小姓近習)
小野寺幸右衛門秀富:宮本秀樹(部屋住み) 
間瀬久太夫正明:小池幸次(目付)
矢田五郎右衛門助武:小玉樹(馬廻)
横川勘平宗利:赤池高行(徒士)
村松喜兵衛秀直:中山敬一(中小姓近習)
岡島忠嗣:吉田栄作
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版
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吉良邸茶会の日程を突きとめた大高源五忠雄:辰巳琢郎

関西急進派の中心。円山会議後、同志の意思確認の為に奔走。江戸で吉良上野介の茶の師・山田宗徧に弟子入りし、吉良邸茶会の日を突き止める。

出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(討入)NHK出版

赤穂浪士ゆかりの地、兵庫県の赤穂市にある花岳寺境内には「子葉句碑」があります。「子葉」大高源五の俳名ですね。

花岳寺と赤穂浪士ゆかりの地について、は別ブログでもご紹介しています。ご覧頂ければ嬉しいです。

上方から命がけで江戸入りした矢頭右衛門七教兼:今井翼

父の遺言で義盟に加わる。義士の中では大石主税についで若年。母と妹3人を抱えた生活は苦しかったらしく、大石内蔵助への借金の記録が、有名な「金銀請払帳」に残されている。浪士たちの江戸集結が始まり、母や妹たちを奥州白川の親戚に預けようと浜名湖の新居の関所に至るが、金がないため女手形が借りられず、やむなく大阪に引き返す。右衛門七は再び単身で江戸を目指すが、たどり着いたときには行き倒れ寸前であったという。

出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版

さて、上記大河ドラマガイドにもありますが、右衛門七は父の遺言で討入に加わるのです。

病の床にある父が、「必ず我が志を継げ、殿のご無念を晴らせ、どこまでも大夫に従え、討入の時は父の分も二人分働け」と遺言します。

右衛門七は内蔵助を訪ねて討入参加に加えて欲しいと頼みます。内蔵助は若い事を理由に断ります。

右衛門七は引き下がらず、

「若いというなら主税殿はそれがしよりも二歳年下。主税殿は大夫のご子息故加えられ、それがしは貧しい者の倅故に外される、それではあまりに理不尽でございまする!」と食い下がります。

それはそうと、右衛門七は母(久野綾希子)と妹(宮崎あおい)を奥州白川の縁者に預けるべく東北に向かいました。

内蔵助は、右衛門七に路銀を渡していましたが、やはり路銀は足らず、母と妹は新居の関所を超えられなかったのです。

そして二人は右衛門七の足手まといになってはいけないと自害しようとします。

母と妹に自害を思い止まらせ、上方の知り合いに預けた右衛門七は、単身江戸に向かいます。

右衛門七が、江戸に到着した時の様子はとても悲惨で身体は泥だらけのボロボロ、足からは血が出ており死にかけだったのではないかと思いました。

若いながら、右衛門七の気概はかなりのものです。「忠臣蔵」に必ず登場し見せ場がある義士です。

苦しみながら吉良邸絵図を手に入れた岡野金右衛門包秀:葛山信吾

江戸に入って、先に潜伏していた前原伊助、神崎与五郎に合流し、町人に姿を変えて吉良邸の情報収集に尽力。吉良邸の改築を取り仕切った棟梁の娘で上杉家の女中・お艶に近づき、詳細な絵図をみごと、手に入れる。

出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版

ところで、「忠臣蔵」で吉良邸の絵図面を手に入れる岡野金右衛門の事はよく知られています。どの「忠臣蔵」ドラマでも重要な見せ場です。

「元禄繚乱」では、棟梁の娘お艶さん(中山エミリ)が死んでしまうパターンでした。ドラマによって違ったりしますが。

さて、吉良邸絵図面を手に入れる為、岡野はお艶さんに近づきます。そして、絵図面は手に入れたものの、岡野に冷たくされ、お艶さんは自害してしまいます。

良心の呵責に苛まれる金右衛門に「お前の罪はわしの罪だ」と苦しむ金右衛門の心に、内蔵助は寄り添います。

更に、岡野と一緒にお艶さんのお墓参りもする内蔵助。

内蔵助の懐の深さは、いろんな場面で感じる事ができますが、この場面の内蔵助にも感動しました。

裏門組(23名)首領:大石主税

堀部安兵衛武庸:阿部寛(高田馬場の仇討ちが縁で堀部弥兵衛の婿養子となる。江戸急進派のリーダー。)
吉田忠左衛門兼亮:山本學(足軽頭・郡行奉行。人望厚く誠実。内蔵助の補佐役。)
不破数右衛門正種:杉本哲太(浅野内匠頭の勘気に触れ浪人に。主君の死後帰参を許され急進派となる。)
前原伊助宗房:小倉久寛(江戸育ちで地理に明るく商才がある。商売をしながら吉良邸を偵察。)
小野寺十内秀和:川辺久造(京都留守居役。常に内蔵助を信じ支えた。)
大石瀬左衛門信清:梶浦昭生(内蔵助の遠縁にあたる。丸山会議後、兄が脱盟したことに激怒し絶縁した。)
礒貝十郎左衛門正久:内田滋啓(内匠頭に重用された側近の一人。当初から片岡らと共に仇討ちを誓う。)
間喜兵衛光延:田村元治(二人の息子、重治郎、新六とともに討入に参加。江戸では医者を装う。) 
杉野十平次次房:横田大明(幼少より内匠頭に仕え自分の資産を全て討入の資金に供したという。)
赤埴源蔵重賢:中村仲助(馬廻)
菅谷半之丞政利:天乃大介(馬廻・代官)
間瀬孫九郎正辰:水月統一(部屋住み)
三村次郎左衛門包常:安岡英之(台所役)
潮田又之丞高教:池田鉄洋(馬廻・絵図奉行)
茅野和助常成:岡安泰樹(横目付)
中村勘助正辰:花ヶ前浩一(馬廻・祐筆)
木村岡右衛門貞行:笠川太(馬廻)
倉橋伝助武幸:大島康一(中小姓近習) 
間新六光風:野村健一郎(浪人)
奥田貞右衛門行高:古宮基成(部屋住み)
村松三太夫高直:林力(部屋住み) 
千馬三郎兵衛光忠:池田正男(馬廻)
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版
「元禄繚乱」【TSUTAYA DISCAS】DVDレンタルで全編視聴可能です!また、 大河ドラマ「元禄繚乱」はU-NEXTでも12月14日より視聴可能予定です。是非ご覧ください。

剣客の誉れ高い義士随一のスター堀部安兵衛武庸:阿部寛

越後新発田藩の家臣・中山家の嫡男。剣客の誉れ高く、高田馬場の仇討ちで名を馳せたことが縁で、堀部弥兵衛の婿養子となって浅野家に仕える。浅野家御家断絶が決まると、御家再興を図る大石内蔵助らに対し、あくまで吉良上野介を討ち、亡君に殉じようとする江戸急進派のリーダーとなる。その気迫は、突出を恐れる内蔵助が送り込んだ使者を逆に説得して次々と急進派に取込むほど。新参者ながら討入決行に至る主導権を取った義士随一のスター。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版
さて、「忠臣蔵」と言えば、「大石内蔵助」、「堀部安兵衛」ファンは多いのではないでしょうか?

私は、「忠臣蔵」の内蔵助様以外では、堀部安兵衛と不破数右衛門が大好きです。「元禄繚乱」では、とても好きな阿部寛さんと杉本哲太さんが演じている事が大変嬉しいです!!(はなみ)

それでは、私が好きな安兵衛の場面(討入場面除く)をご紹介します。
まず、堀部弥兵衛(牟田悌三)が安兵衛を養子にしたいと頼みに来る場面です。
中山安兵衛は高田馬場6人斬りで有名人でした。その瓦版を見た弥兵衛が3ヶ月かけ安兵衛を探し当てます。そして養子の申出を断り続ける安兵衛を口説き落とすところが面白いです。
次に、安兵衛が内蔵助と「袂を分かつ」「縁を切る」と江戸から山科にやってくる場面。
内蔵助がなかなか討入を実行せず、廓遊びは相変わらず、別れたと見せかけた女子を囲っている事をズケズケと内蔵助にぶつけるのです。
情熱で切り込んでいく真剣な堀部安兵衛、すごくかっこいいです!
そして、潔く謝る場面。
色部が間者としてお順(高岡早紀)を安兵衛たちの長屋に送り込みます。色部は浪士たちの動向を探るだけでなく、浪士の離反や仲間割れも期待してました。
お順の働きで田中貞四郎(加藤久詞)が悲惨な事になります。それが自分のせいだとかなり責任を感じた安兵衛は内蔵助に詫びにきます。その責任感と潔さにも胸が熱くなります。

内匠頭の墓前で帰参を許された不破数右衛門正種:杉本哲太

では、次も私の好きな浪士、数右衛門のご紹介です。

元禄10年ごろ、塩浜の町人を斬り、刀の試し斬りのため、連続で犬斬りを引き起こしたことが浅野内匠頭に知れ、不興を買って長の暇を出される。大石内蔵助の必死の嘆願もかなわず、やむなく数右衛門は江戸に出て浪人暮らしをする。元禄11年11月、内蔵助が急進派を鎮めるべく江戸に下った際、ともに泉岳寺の主君の墓前に詣で、ようやく帰参を許される。その後は急進派の一員として江戸と上方を奔走。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版
剣の達人である数右衛門は内蔵助からは「生まれてくるのが遅かった。戦国のならば、、、。」と言われるほででした。
ある時、カッとなって人を切り殺した数右衛門。「何しとんじゃ!」関西弁で内蔵助に怒鳴られます。しかし、内匠頭がその罪を2月の蟄居で許してくれました。
「二度と過ちを繰り返さない」と言った数右衛門ですが、またやってしまいました。内蔵助から匠の美しい刀を拝領します。
「身の心も惹きつけられそうにございます。」剣と剣の腕を磨く事が好きなのでしょう。
二度目は、その美しい刀で犬を試し斬りにしてしまったのです。
今度は、内匠頭は許しませんでした。「汚らわしい!これが初めての事ではないではないか!」数右衛門は赤穂を去っていきました。
そして、松の廊下事件後、江戸で浪人していた数右衛門は、江戸下向した内蔵助に会いに来ます。「せめて死に場所をお与え下さい」と、敵討ちの盟約に加わる事を願います。
後日、数右衛門は、内蔵助や浪士たちと泉岳寺へ。内匠頭の墓前で昔の罪を詫び、帰参することになりました。

商人として情報収集で活躍!神崎与五郎と前原伊助

・神崎与五郎:三浦浩一
もとは美作津山藩森家の家臣だったが、藩が改易となり、微禄とはいえ赤穂で仕官がかなう。大石内蔵助のそば近くに仕えた神崎は、内蔵助に最も信頼されていた浪士である。元禄15年春、内蔵助の密命が下るや直ちに江戸に向かい、前原伊助とともに吉良探索の中心人物となり、美作屋善兵衛と名乗って活躍する。俳句を通して萱野三平と心通い合う仲であったが、その三平の脱落と自害を救えなかった悔いを最後まで胸に刻んでいる。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版
神崎与五郎は、内蔵助を信頼し慕っているのがドラマの端々で分かりました。
上記のガイドにもありますが、吉良邸探索の中心メンバーで岡野金右衛門の兄という設定で吉良邸にも出入りし活躍。いつも冷静に皆をサポートしていました。
討入前の全員会議の時も、「本物の吉良の首を秘かに船で泉岳寺に運び、我ら引き上げの時は偽首を持って行くのはどうか?」と良い案を出し、皆を感心させていました。
・前原伊助:小倉久寛
藩の急変後、独力で呉服橋吉良邸近くに古着屋を開業し、吉良の内情探索を始める。吉良邸の本所移転に際し、裏門近くに米屋五兵衛と称して雑貨屋を開く。やがて、その店を本拠に神崎与五郎、岡野金右衛門らと探索グループを形成する。江戸育ちで地理に明るく、商才に富んだ伊助は、そのリーダー格として適任の人物であった。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版
前原伊助も、神崎与五郎とともに、吉良邸を探っていました。伊助は商才がありますが、剣は苦手とのことで、道場に行って安兵衛(阿部寛)に剣の稽古を仕込んでもらっていました。
吉良邸に小間物や着物を持って行って、女中相手に商いをしていました。ある日、探索熱に力が入っていたところ、小林平八郎(誠直也)に怪しまれ、ボコボコにやられます。
大けがをして、立てなくなるくらいになってしまいました。内蔵助も見まいにやって来ます。そこにいる皆がこの仇は討入の時に!!と誓いました。

「元禄繚乱」赤穂討入脱落者たちキャスト

ところで、「元禄繚乱」の討入脱落者たちのドラマも心揺さぶられ、考えさせられます。

私が特に印象的だったのは萱野三平田中貞四郎でした。(はなみ)

高田郡兵衛:堤真一(江戸急進派の中心人物だったが、旗本の娘に惚れられ脱落する。)
萱野三平:森宮隆(仇討ちに反対する父と同志の間で悩み苦しみ内匠頭の命日に自決。)
田中貞四郎:加藤久詞(内匠頭の側近で敵討ちに強い思いがあったが、非業の最後を遂げ討入できず。)
毛利小平太:山崎有右(仇討ちの執念を燃やしていたが、最後の脱落者になる。)
小山田庄左衛門:井出らっきょ(早くに盟約に加わるが長引く浪人生活で酒色に溺れ討入を前に逃亡。)
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版

江戸急進派の中心だったが口が災いし脱落!高田郡兵衛:堤真一

槍の腕を買われての中途採用で、同役の堀部安兵衛とともに「大刀の安兵衛、槍の郡兵衛」といわれた赤穂の“2大広告塔“である。刃傷事件以降は、奥田孫太夫を加えた3人組が江戸急進派の中心となる。その中でもっとも過激な郡兵衛は、やや口が軽く大言壮語を好み、自らの腕を太平の世に示したかった。しかし、旗本の娘に惚れられたのが不幸の始まりで、口が災いし、娘の父に全てが露見してしまったことから義盟を脱落。この一件は、なまじ急進派の中心だっただけに浪士たちに衝撃を与えた。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版
それはそうと、吉良を討つ事しか頭になく、偉そうな事ばかり言いまくる高田郡兵衛。
内蔵助が御家再興が第一と言っているのが気にいらず、頭目から外しても良いとまで言います。
「今、世間が吉良への仇討ちに沸いている時に我らが全く動きを見せぬでは大いに落胆しよう!浅野家家臣としてはあまりに不名誉でござる!」と内蔵助に意見しますが、、、。
内蔵助は、「このような世間の期待は、迷惑で、邪魔!大事決行の必須の要は1にも2にも沈黙だ!」と言います。
しかし、郡兵衛は、所かまわず、後先を考えずやみくもに敵討ちを言い立て、大言壮語を吐きます。
内蔵助が、「敵討ちの事は絶対に他言無用、特に女子には注意」と皆に注意すると、江戸組にかぎってそのようなことはない!!と言い切る郡兵衛。
にもかかわらず、郡兵衛こそが、旗本の娘おてつ(渋谷琴乃)に敵討ちを喋り、それが災いして、同盟から脱落します。
高田郡兵衛の大失態は自業自得ですが、安兵衛の悔しさはかわいそうでした。

かわいそうで涙した萱野三平と、非業の最期を遂げる田中貞四郎

・萱野三平:森宮隆
萱野家は幕臣・大島出羽守義近に仕える名門であった。13歳のとき、出羽守の推挙により浅野内匠頭の中小姓となる。刃傷事件の際は、第1報を赤穂に早打ちした。その後は赤穂にとどまり義盟に加わって仇討ち決行の時を待つが、義理を通し大島家の仕官を望む父と、血盟を誓った同志の間で深い苦悩の日々を送る。そして自決という答えを出し、内匠頭の命日に割腹して果てた。
・田中貞四郎:加藤久詞
浅野内匠頭の側近。刃傷事件による内匠頭切腹の当日、主君の遺骸を引き取って泉岳寺に向かう。内匠頭の墓前で復讐の盟約を交わした4人のうちの一人。仇討ちの即日決行を訴え赤穂に帰国するも、大石内蔵助の賛同を得られず江戸に戻る。内匠頭の側近くに仕えていた事から、仇討ちには並々ならぬ思いがあったが、元禄15年決行を目前に控えた11月に脱落。理由は定かではない。「元禄繚乱」では新たなフィクションを創作。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版
田中貞四郎については、かなりの衝撃でした。上記の大河ドラマガイドにもありますが、貞四郎は討入する気満々でした。
貞四郎が崩れていく原因になったのは、お順(高岡早紀)が堀部安兵衛(阿部寛)の長屋を訪ねてきたことでした。お順は男ばかりの貧窮な長屋に酒や料理を持って訪ねてきます。
安兵衛に色仕掛けで迫ったり、安兵衛にだけ料理や酒を振舞います。他の浪士たちは当然面白くなく、イライラしてきます。組替えを言い出す者も出てきます。
安兵衛は、お順の正体を確かめるべくお順のペースに合わせていたのですが、それが逆効果になってしまいます。
貞四郎も、そのうっぷんを晴らす為、何と、辻斬りをしてしまいます!
貞四郎を付けていたお順が辻斬りを目撃し、奥田孫太夫(六平直政)に教えます。奥田と安兵衛は貞四郎の辻斬り現場をおさえ、事情を問いただします。
その後、悲惨な展開になりますが、貞四郎も哀れ、奥田と安兵衛も辛く悲壮な気持ちで内蔵助に報告に行きます。
悲惨で辛い話ですが、その辛い出来事を胸に刻んで同志の結束と決意が更に固くなる、私の好きな見せ場でもあります。

「元禄繚乱」吉良家、上杉家周辺のキャスト

それでは、次は赤穂浪士の敵方、吉良家と上杉家の方々。この両家の関りについては、このブログの見どころにも入れています。

吉良上野介義央:石坂浩二(吉良家の当主。元禄14年3月14日、勅使饗応役浅野内匠頭に斬りつけられる。)
色部又四郎安長:松平健(上杉家の家老。若き日吉原で出会った内蔵助と友情が生まれるが戦う運命になる。)
上杉綱憲:宅麻伸(吉良上野介の実子。母は上杉家出身の富子。赤穂浪士の討入を知り出兵を命じる。)
富子:夏木マリ(吉良上野介の正室。上杉家出身。吉良の美貌に一目惚れして結婚する。)
吉良左兵衛義周:滝沢秀明(上杉綱憲の次男。父の実家吉良家に養子に入る。温厚で両親への忠孝に厚い人物。)
お順:高岡早紀(架空の人物。色部又四郎のの愛妾で間者。上杉家、赤穂、江戸の浪士長屋に潜入する。)
千坂兵部:竜雷太(上杉家の家老。自らの後継者として色部又四郎を教育する。)
小林平八郎:誠直也(上杉家用人。剣客の誉れ高く色部又四郎の命で吉良邸の警護に当たる。)
清水一学:大森貴人(吉良家随一の剣客。上野介への忠誠心厚く討入当夜奮戦の果て討死。)
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版

上品で憎めない吉良上野介:石坂浩二

吉良家当主。高家肝煎を務め、朝廷への儀礼や交渉をつかさどる。元禄14年3月14日、勅使らの接待で登城。松の廊下で勅使饗応役の浅野内匠頭に斬りつけられるが、軽傷で事なきを得る。内匠頭が刃傷に及んだ理由は諸説あって定かではないが、内匠頭には切腹、一方、上野介にはお咎めなしとの裁定が下った。元禄15年12月15日未明、完全武装した浪士に襲われ、邸内で殺害された。義央の領地・三州吉良の荘では、堤防を作り新田開発をした名君と伝えられている。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版

初めて「元禄繚乱」を観てからずっと、吉良上野介が意地悪で嫌な奴と思っていました。

1979年大河ドラマ「草燃える」から石坂浩二さんのファンだったのですが、元禄繚乱の吉良上野介だけは嫌いでした。

けれど、久しぶりに「元禄繚乱」を観返すと、吉良上野介の優雅で教養深く、上品なところに注目してしまいました。

それに、赤穂浪士の討入に怯えるところ、富子に愛想付かされるところがかわいそうになって憎めなくなりました。

それに、見どころでも書きましたが、吉良は元々は内匠頭を気に入っていて、一度目勅使饗応役は成功しているんですね。なのに、何故二度目は?なぜ不幸な結果に?

そこは、ドラマで是非ご覧頂きたいです。

「元禄繚乱」【TSUTAYA DISCAS】DVDレンタルで全編視聴可能です!是非ご覧ください。

何が何でも藩を守りぬく冷徹な策士色部又四郎:松平健

米沢藩上杉家江戸家老。松の廊下事件後、名門上杉家の面目を保つために奔走。赤穂と幕閣の動きを探るうち、柳沢保明に上杉家の廃絶をねらう策謀があることを知る。赤穂浪士に討ち入りをさせ、上杉家に兵を出させ、市中騒乱で藩は改易。このお家存亡の危機を、大石一党の離反と分裂を図る。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版

それでは、続いて色部又四郎です。

米沢藩上杉家の江戸家老になった色部又四郎は、藩の財政難に悩んでいました。藩主上杉綱憲(宅麻伸)の実父吉良上野介(石坂浩二)が雅で華美な家風を上杉家へ持ち込みます。

能舞台を作る等の費用や、屋敷の増築費の立替その他、借金の肩代わりを求めるなど、吉良家への費用援助も行っていたのです。財政難を増大させる吉良上野介。

そんな時に起こった「松の廊下事件」。財政難どころでなく、お家お取り潰しの危機です。

色部は自分の愛する女性お順(高岡早紀)をスパイにして赤穂、吉良邸、江戸の赤穂浪士の長屋を探らせます。

色部と柳沢の水面下での情報収集合戦、そして内蔵助を加えた三者の三つ巴の戦いは凄まじい展開となります。

それはそうと、松平健さんはドラマでも、赤穂義士祭でも大石内蔵助役をされています。そのご紹介も別ブログでしています。是非ご覧ください。

養父上野介の為に剣の腕を磨く貴公子吉良左兵衛義周:滝沢秀明

米沢藩主・上杉綱憲の次男。5歳で吉良家に養子に入り実の祖父母上野介と富子が養父母となった。名門の生まれにふさわしく、温厚で忠孝に厚い。それゆえ、上野介の傲慢な言動を心配し、さらに養父母の不仲には心を痛めていた。赤穂浪士の切腹決定と同時に吉良家も廃絶となり義周は諏訪高島藩にお預けとなる。幽閉先の信州で、失意のうち死去。享年21。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版
ところで、父思いの義周は赤穂浪人の討入に備えて道場に剣の修行に行くのですが、その道場で矢頭右衛門七(今井翼)に出会います。
お互いの素性を知らないまま親しくなっていきます。この二人の成り行きも見どころでご紹介しています。
さて、「元禄繚乱」の「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)に滝沢秀明さんの以下のようなコメントがありました。
時代劇って難しいけれどやりがいがありますね。ぜひまた挑戦したいです。

「元禄繚乱」では、まだあどけない少年の印象があるタッキーですが、上記のコメントの通り、2005年大河ドラマ「義経」では、素晴らし過ぎる義経を演じられています。

そして、弁慶は「元禄繚乱」色部又四郎役の松平健さんです。別ブログでご紹介していますので、是非ご覧ください。

「義経」はU-NEXTで全話一気に観ることができます!是非ご覧ください。

藩主の立場と肉親への情で心引き裂かれる上杉綱憲:宅麻伸

米沢藩主。吉良上野介と富子の長男。三代藩主・綱勝の急死で母の実家・上杉家の養子となり家督を相続。また、嫡子を亡くした吉良家へ義周(滝沢秀明)を養子に出す。赤穂浪士が吉良邸を急襲したことで出兵を命じるが家中の猛反対にあう。お家を守る藩主の立場と、父と我が子への愛情を取るかで心引き裂かれる。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版

上杉家の藩主というより、「吉良上野介の息子」という印象が強い殿様です。吉良に似て、雅で優雅を愛でています。

また赤穂浪人の討入から父と息子を守る気満々でした。それは、子として、父として当然だと思います。ドラマを見ていて、色部はよく頑張った、この綱憲をよく抑えたと安心しました。

「元禄繚乱」柳沢家、徳川将軍家、幕府周辺のキャスト

続いて、柳沢家、徳川将軍家、幕府周辺の方々です。

柳沢出羽守保明:村上弘明(将軍綱吉の側用人。刃傷事件で上杉15万石と浅野宗家42万石取り潰しを企む。)
染子:鈴木保奈美(許嫁岡島忠嗣との幸せを望んでいたが、忠嗣の子を将軍綱吉の世継ぎにする野望を抱く。)
定子:篠原涼子(柳沢保明の正室。夫を支える良妻であるが、夫の出世や染子の野望を心配する。)
柳沢伊勢守吉里:高橋一生(染子と昔の許嫁岡島忠嗣の子だが、将軍綱吉の子とされ柳沢吉保のもとで育つ。)
徳川綱吉:萩原健一(江戸幕府5代将軍。政治には意欲的であるが生類憐みの令等不評の政治も行った。)
桂昌院:京マチ子(将軍綱吉の生母。大奥の実権を握り権勢を振るう。)
鷹司信子:涼風真世(将軍綱吉の正室。京の名門公家鷹司家出身。)
お伝の方:鈴木砂羽(将軍綱吉の側室。綱吉の側室の中でお伝だけが子宝に恵まれる。)
仙石伯耆守久尚:滝田栄(幕臣、大目付。反柳沢勢力の急先鋒。)
荒木十左衛門政羽:西岡徳馬(赤穂藩改易の城請け取りの目付に任命される。)
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版

将軍綱吉と己の野望の為に討入をさせたい柳沢出羽守保明:村上弘明

元禄元年、将軍綱吉の側用人となる。綱吉への強い忠誠心で、わずか530石の小姓組頭から甲府15万石の藩主へと異例の大出世を果たす。刃傷事件の片落ち裁決は、綱吉の失策として悪評をよんだ。柳沢は、吉良、上杉、そして芸州浅野家をも巻き込んだ、大謀略に取り組む。そこには、主君の名誉回復という大義名分のもと、自らの野望も含まれていた。しかし、浪士らの討入は世評がすべて赤穂に味方し、野望は夢と消える。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版
さて、柳沢保明です。大変頭がよく、勉強家で、良い意味でも陰謀やはかりごとが得意な人だったような気がします。
元々は将軍の忠臣だったのが、自分のピンチを何とかするためにはかりごとを画策して、そのはかりごとがあまりにも大きい策謀になり、野心家と思われたのかもしれません。
染子が忠嗣の子供を身ごもったのも、桂昌院に従一位叙位を望んだのも、内匠頭が松の廊下事件で吉良を斬りつけたのも、柳沢には原因のない事だと思います。
見方を変えれば、それらの事件に巻き込まれてしまったのかも?と思ったりします。
そしてそれらの事件処理によって自分が危機になるため、危機をチャンスに変えなければと陰謀やはかりごとを思いつき始めたのかもしれません。
その陰謀の中身は、危機回避自分の野望、そして綱吉への忠誠心があったと思います。
それはそうと、柳沢の57万石の陰謀については見どころに書いていますが、これは、最終的には綱吉への忠誠心の為と思います。
赤穂浪人討入処分に関して、綱吉と話している時に綱吉から「42万石などどうでも良いのじゃ。」とか、「そちもわしの心が読めぬようになったのう。」とか言われます。
綱吉のあまりの変わり様だけでなく、綱吉の言葉に驚き過ぎて腰が抜けたようになる吉保。帰宅してからも綱吉の言葉が蘇り、人が変わったように取り乱して涙します。
綱吉の事が大切だったのだなと、切なくかわいそうになりました。

運命に翻弄されるが大胆不敵な野心家となる染子:鈴木保奈美

柳沢保明の側室で吉里の母。その名を史実に残すが、ドラマの創作した人物。上州沼田藩出身。
許嫁の岡島忠嗣がいたが、行儀見習いの奉公先で徳川綱吉のお手付きとなり人生が大きく変わる。
染子を嫌う桂昌院が染子の大奥入りを拒み、保明の側室に下げ渡される。その後、忠嗣と密会し身ごもって生まれた男子吉里は、吉保の策略によって綱吉の実子として柳沢家で養育される。
女の幸せを望むことを捨て、忠嗣と決別。染子は大奥入りし、女として権勢の頂点に立つ野望を持つ。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編)NHK出版
染子の人生が大きく変わるドラマはブログの見どころでもご紹介していますので、是非ご覧ください。
それはそうと、鈴木保奈美さんは、2011年大河ドラマ「江 姫たちの戦国」では、強く美しいお市の方役が印象的です。

「江 姫たちの戦国」はU-NEXTで全話一気に観ることができます!是非ご覧ください。

忠嗣を実の父と慕う柳沢伊勢守吉里:安達心平➡浅利陽介➡高橋一生

幼名・兵部。染子とかつての許嫁・岡島忠嗣の子。将軍綱吉の実子とされ養父・柳沢保明のもとで育つ。綱吉はたびたび柳沢家に来臨し吉里を寵愛する。しかし、吉里には他に実の父がいるのではないかと思っていた。吉里はある時、実の父・忠嗣によって屋敷から連れ去られるが忠嗣は父と名乗ることなく、剣の稽古をつける。真実を知ることなく無事に柳沢家に帰るが、忠嗣の事が強く印象に残る。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編)NHK出版

吉里は、少年時代に忠嗣に誘拐されます。忠嗣はわが子に剣の稽古をつけますが、自分が実の父親と名乗りません。

ですが、成長した吉里は幼い時の記憶をたどり、剣の稽古を付けてくれた道場を探し堀部安兵衛から岡島忠嗣と染子の事、そして実の父忠嗣の仇が将軍綱吉だと知ります。

それから、吉里は忠嗣を訪ね、自分が実の父忠嗣の代わりに仇を討ちます等と言い始めるのです。

吉里の忠嗣への想いは尋常ではなく「思い込んだらまっしぐら」なところは、実の父忠嗣にも、養父柳沢保明にも、母染子にも似ています。

それはそうと、吉里を実の子と思い、桂昌院や御台所に会わせる場面があります。桂昌院に「歩いて見よ」や「何か話してみよ」等と見世物のようにされた吉里はかわいそうでした。

内蔵助と赤穂浪士にとって重要人物仙石伯耆守久尚:滝田栄

幕臣、大目付。「上野介にお咎めなし」との幕府の裁断を、評定の席で、喧嘩両成敗に反する片落ちの処断だと柳沢保明に反論する。しかし、仙石の進言は採用されず、内匠頭は即日切腹となる。日ごろより柳沢の専横に対し、幕府の為にならないと考える。反柳沢勢力の急先鋒として、しだいに柳沢との対立を深めていく。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(後編)NHK出版

さて、内蔵助は東下りし江戸に入ってから、岡島忠嗣を通じて紀伊国屋文左衛門(ラサール石井)と出会います。

忠嗣は紀伊国屋文左衛門を介して貧窮を極める赤穂浪士たちへの生活資金として金銭の援助を申し出ます。

しかし、それはきっぱりと断ります。ですが、やはり紀伊国屋文左衛門を紹介して欲しいという内蔵助。

その目的は「金」ではなく、「幕府の中で柳沢と敵対している人物を教えて欲しい」という事でした。その人物こそが、仙石伯耆守だったのです。

仙石伯耆守は内蔵助と赤穂浪士にとって重要人物となります。

ところで、1981年大河ドラマ「おんな太閤記」では前田利家1983年大河ドラマ「徳川家康」では主演の徳川家康を演じた滝田栄さん。

個人的には前田利家役が一番好きです。別ブログでもご紹介しています。ご覧頂けると嬉しいです。

徳川家康関連ブログ

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「元禄繚乱」その他のキャスト

さて、最後のカテゴリーのキャストご紹介です。「その他」のカテゴリーで、出番が少ない方もいますが、重要人物や印象的な方々です。

岡島忠嗣:吉田栄作(架空の人物。沼田藩家老の息子。恋人染子が将軍綱吉のお手付きとなり、綱吉の命で沼田藩改易、父と兄は切腹の憂き目に遭い綱吉への復讐を誓う)
宝井其角:国本武春(元禄俳壇の第一人者子葉と号する赤穂浪士大高源五とは俳友。)
山田四方庵宗徧:松村達雄(江戸前期を代表する茶人。吉良上野介との交際関係は深かい。)
紀伊国屋文左衛門:ラサール石井(材木を営む豪商。ドラマでは岡島忠嗣を介して内蔵助に出会う)
細川越中守綱利:菅原文太(熊本藩主。江戸屋敷で内蔵助他16名を預かり手厚くもてなす。)
公弁法親王:中村橋之助(上野寛永寺と日光輪王寺の門跡。将軍綱吉に赤穂浪士の処断について進言。)
中村勘三郎:中村勘九郎(江戸歌舞伎の祖。)
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版

オリジナルキャラながらも重要人物な岡島忠嗣:吉田栄作

架空の人物。上州沼田藩の家老の家に生まれる。結婚を誓い合った染子との仲を引き裂かれ、藩は改易。父と兄は切腹、一家離散。その全ての原因であった将軍徳川綱吉に激しい怨念を抱き、自らの手で復讐することを決心する。しかし、真っ向勝負を挑めない敵だけに、あらゆる手だてを講じて、将軍綱吉をおとしめようと画策する。それは自身の生涯をかけた長きにわたる戦いであった。
出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編)NHK出版

ところで、最後の人物ご紹介は岡島忠嗣です。

忠嗣は、ドラマのオリジナルキャラですが重要人物で、堀部安兵衛の友人という設定です。

忠嗣と染子の事、柳沢との絡みは見どころでもご紹介しました。そちらと併せて以下、復讐にかける忠嗣の執念の一部をご覧ください。

ある時、綱吉が柳沢邸で染子と褥を共にしているところへ、忠嗣は忍び込みます。そして綱吉を暗殺しようと襲うのです。

また、ある時、自分の身の上を安兵衛と吉田忠左衛門に話し、討入に参加したいと頼みます。それだけでなく、紀伊国屋文左衛門が知り合いなので、金銭の助けもかって出ます

吉田忠左衛門や安兵衛、そして寺坂吉右衛門は岡島忠嗣の身の上を大変気の毒に思います。しかし内蔵助の許しなく、勝手なことは出来ないと断ります。

それでも、あきらめきれない忠嗣は、ある日、命がけのボロボロな様子で上方から江戸に到着した矢頭右衛門七を見て反省します。

まだまだ自分は甘い。直接内蔵助に頼みに行こうと上方へ出発します。

そして、平間村で内蔵助は浅野本家の刺客に襲われますが、内蔵助を助けている最中に忠嗣は切られ大けがをします。

それ以降、同志たちの手伝いをする事を許されます。同志たちへのつなぎや下働き等一心に頑張る忠嗣。

ついに、討入間際に内蔵助から寺坂吉右衛門として、討入参加を許されます!

大河ドラマ「元禄繚乱」見どころ(当然の見どころ以外)

それでは、見どころをご紹介します。

やはり「忠臣蔵」ですので、「刃傷松の廊下」「内匠頭切腹」、内蔵助が内匠頭の変事を知ってから「大評定」と「城明け渡し」までの過程、「大石東下り」「討入」、「吉良成敗」等。

それら「忠臣蔵」に不可欠な場面は、当然見どころです。

特に「討入」場面を最初に見た時は、息が出来なくなるくらい興奮しました。そして何度見返しても画面にくぎ付けになるくらい好きな場面です。

なかなか見つからない吉良上野介。同じ場所を再確認したり、もう屋敷の外に逃げたのではないか?と思ったり、空が白くなり夜が明け始め、焦る浪士たち。

吉良上野介は以前から隠れ場所に工夫をしています。上野介自身は逃げ果せると思っていたようですが、やはり見つかります。

結果が分かっているのに、ドラマの展開にハラハラドキドキさせられました。

では、「当然の見どころ」以外で、「元禄繚乱」ならではで、私が好きなおすすめする見どころポイントをご紹介します

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ドラマ冒頭出会い友情が生まれる内蔵助と色部。柳沢の陰謀をどうやって潰す?

まずは、私が最もドキドキハラハラした見どころの一つなのですが。

ドラマの最初に大石内蔵助と色部又四郎は吉原で出会います。内蔵助の供をしていた堀部弥兵衛が色部の財布を拾った縁でした。

二人ともまだ若く、内蔵助は赤穂藩の家老見習い。後に米沢藩15万石上杉家の江戸家老となる色部も江戸は初めて。

後にお互いの家を背負って敵同士になる運命の二人でしたが、この時は「田舎者同士、パーッと騒ごう!」と意気投合し友情のようなものが芽生えました。

後年松の廊下事件が起こります。その時、色部は内蔵助を思い出し「ひょうきんな男であったが、筋はしっかり通っておる」と早くも赤穂の討入を警戒するような面持ちです。

そして、内蔵助が山科に引きこもっている時に色部は内蔵助に会いに来ます。

色部は、浅野家再興など断じてない。柳沢が赤穂の討入を望んでおり、吉良を助けて出兵する上杉家15万石を取り潰す魂胆だ、と内蔵助に話します。

そして同様に浅野本家42万石をも領地召上げで、合わせて57万石を狙っているというのです。色部は、内蔵助に柳沢様に踊らされ討入するのは愚かだと説得します。

上杉家と浅野本家の57万石を狙う柳沢の陰謀を、内蔵助と色部がどのように潰すのか?

内蔵助、色部、柳沢の水面下での戦いが「元禄繚乱」の大きな見どころと言えます。

「赤穂浪士」と関係ない岡島忠嗣と染子がドラマを面白くする

次に、「元禄繚乱」は「忠臣蔵」の話ですが、内匠頭の「刃傷松の廊下事件」はやっと、第19回で起きます。

それまでは赤穂浪士と全く関係のない吉田栄作さん演じる岡島忠嗣と鈴木保奈美さん演じる染子がよく出てきます。

元は許嫁だった忠嗣と染子。しかし、対立する仲になってしまいます。

忠嗣は将軍綱吉のせいで染子との仲を引き裂かれ、父と兄は切腹、藩は改易で一家離散。綱吉に激しい恨みを抱き復讐を誓い江戸に出てきます。

一方の染子は綱吉に一目惚れされて無理やりお手付きになるのですが、柳沢保明に下げ渡されます。

その後、染子は、忠嗣と逢引きし忠嗣の子を産み(吉里:高橋一生)ますが、「上様の子」だと言い始め、将軍家の世継ぎの生母になる野心を抱きます。綱吉も吉里がわが子だと思っていました。

その真実がどのように暴露されるのか?そこが大変面白いです。

ところで、忠嗣の復讐は「寺坂吉右衛門」の代わりとして吉良邸に討ち入る事で成就された感があります。忠嗣が「寺坂吉右衛門」の代わりになるまでの執念も見せ場です。

個人的に興味深いと思ったのは、赤穂浪士と全く関係のない忠嗣と染子が「仲を引き裂かれた事がきっかけ」となり直接的に、間接的に討入に関係することです。

この因縁がドラマを一層面白くしていると感じました。

蝮のような吉良は上杉家の仇!?吉良家と上杉家の結び付き

ところで、上杉家と吉良家のつながりを知っておく事も「元禄繚乱」を楽しむ上では重要だと思います。

第3回で、上杉家の江戸家老千坂兵部(竜雷太)と千坂の後継者色部又四郎(松平健)がコソコソ重大な話をする場面があります。

さて、上杉家と言えば、あの上杉謙信に始まる名門の家柄。関ヶ原の戦いまでは120万石。謙信の甥で養子の景勝は豊臣政権五大老の一人です。

関ヶ原の後は30万石になってしまいますが、やはり大身の外様大名。

しかし、三代上杉綱勝が腹痛で急死!綱勝には世継ぎがいません。その為唯一の血縁だった綱勝の妹富子と吉良上野介の嫡子綱憲を慌てて養子にしたのです。

綱勝の急死、養子の混乱を幕府に咎められ15万石になってしまった上杉家。

何と!千坂は、綱勝の急死には吉良が関わっているのでは?と疑っています。

その上、吉良が雅な家風を上杉家に持ち込み、屋敷増築費の立替や借金の肩代わりを押し付け、上杉家は財政難。「まこと、蝮のようなお人じゃ」と怒り心頭の千坂。

「吉良様は御家の仇!?」と色部。

更に嫡子を亡くした吉良家に義周(滝沢秀明)を養子に出します。

その為、尚一層、吉良家と上杉家の結び付きは深くなったのです。

元々内匠頭を気に入っていた吉良①:内匠頭の一度目勅使饗応役は成功

それはそうと、浅野内匠頭は勅使饗応役を二度経験します。吉良上野介を斬りつける、有名な「刃傷松の廊下」は二度目の時です。

それでは、ここでは一度目の話ですが。

「吉良殿とは気難しく尊大と聞いておる。我が殿は若年。」と心配する家老の大石頼母(愛川欽也)です。頼母は内蔵助の大叔父にあたり内蔵助の後見役で浅野家三代に仕えた人物です。

17歳で最初の勅使饗応役になった内匠頭はこの頼母のお蔭で指南役吉良上野介に気に入られ、お役目をつつがなく果たすことになります。内匠頭の一度目勅使饗応役は成功だったのですね。

というのも、頼母は吉良にかなりの贈り物を用意します。金銭や品物を揃え内匠頭と共に挨拶に行きました。

吉良は内匠頭の若さと美男ぶりにほれ込みます。

そして贈り物を見て上機嫌。「みどもは手にとってお教え致す。」と言いますが、硬くなっている内匠頭は吉良を恐ろしく感じたようでした。

元々内匠頭を気に入っていた吉良上野介なんですね。

元々内匠頭を気に入っていた吉良②:内匠頭の華燭の典にも出席

では、その勅使饗応役の役目が終わった後の事です。

内匠頭に阿久利との婚礼のお許しがまだ出ていないと知った吉良上野介。

「みどもからもご注進しておきましょう。」と老中への口添えをかって出たりします。その代わり婚礼には呼んで欲しいとまで頼み込むほど内匠頭を気に入っているのです。

吉良は、婚礼にも幕府の重臣や息子の上杉綱憲まで連れてくるのですが、それを知った大野九郎兵衛(山口崇)は、豪華な婚礼にすることを進言。

しかし、内匠頭は「我が家は我が家の流儀で営めば良いのじゃ。くれぐれも華美に走るなよ。」と申しつけます。

華燭の典に出席した吉良は、内匠頭と阿久利の美男美女ぶりには満足しつつ、案の定、質素で粗略な婚礼に不満。更には内匠頭が尊敬する山鹿素行先生への悪口雑言。不機嫌になる内匠頭でした。

個人的にすごく感じた事ですが。

「元禄繚乱」を見ていると、「内匠頭が吉良のいじめに対して短気で我慢できなかった」とか、「吉良が内匠頭を虐めぬいた」など、今まで見てきたドラマとは違う気がしてきます。

単純であるかもしれませんが、しかし、実はなかり深刻な、内匠頭と吉良の「性格、考え方の不一致」で起こったのが「刃傷松の廊下事件」かもしれません。

柳沢と染子の野心が打ち砕かれる!柳沢は57万石取り潰しの大謀略へ突き進む

さて、染子と柳沢保明の話になります。

染子は柳沢保明の屋敷で暮らしていましたが、昔の許嫁岡島忠嗣と密会するようになります。当初は忠嗣と会えて幸せだったのが、忠嗣の子供を身ごもった時から人格が変わります。

身ごもったと知ったら柳沢はどんな顔をするか、綱吉の驚く顔も見てみたいと笑いながら言い放つ染子。突然開き直り、子供を産みたいと柳沢保明に言うのです。

さて、一方の柳沢。

綱吉に何というか?自分は染子に手を付けていないのに、誰の子と言えば良いのか?柳沢は悩みます。しかし、腹がすわった柳沢に新しい野望が生まれます。

世の人がうらやむほどの出世をして見せる!と決意します。染子の子供を綱吉の子供という事し、そしてその子を自分が養育すると綱吉に言う柳沢。人生をかけた大勝負です。

このピンチをチャンスに変える柳沢の度胸がすごいと思いました。

また男の子を生んだ染子も、忠嗣と逃げることもできたはずなのに、そんな女の幸せよりも、次の将軍の生母になるという野望をもち人生をかけた勝負に出ます。

ですが、その賭けはあっさりと意外なところから真実が暴露される事になるのです!その賭けに負けてしまった柳沢と染子。

けれど、賭けに負けても柳沢保明はへこたることなく、57万石取り潰しの大謀略へ突き進んで行きます。この柳沢保明の執念はドラマの見どころでもあります。

決裂宣言に来た安兵衛についに討入の決意を告げる内蔵助

ところで、浅野家の名跡を残すことが真の忠義と考えていた内蔵助は、その根回しに必死でした。内匠頭の弟大学長広(赤坂晃)を当主とした御家再興に賭けていました。

ですが、江戸急進派の面々は御家再興よりも吉良邸に討ち入る事しか考えていません。いつまで経っても討入指示がなく、入ってくるのは内蔵助の不行状のうわさばかり。

内蔵助の京都廓通いや素人女を囲っている等のうわさを聞き、江戸組は日々ヤキモキしていたのです。そして、安兵衛は内蔵助と会い直接袂を分かつ事を告げると山科まで内蔵助に会いに行きます。

一方の内蔵助は、御家再興の可能性が高いと期待していました。その矢先、何と、御家再興の成らず、大学長広は浅野本家にお預けの処分決定!

その書状を見るや、驚きと怒りに満ちた恐ろしい顔になる内蔵助。「このような仕置きはあってはならん事だ。」その書状をビリビリに破き、

「始めるか」と言います。

そこにちょうど安兵衛がやって来ます。安兵衛は内蔵助に「袂を分かつ」「縁を切る」と散々内蔵助の優柔不断さと不行状への怒りをぶつけます。

しかし、ついに内蔵助は「吉良の首を取るまでは頭目を断じておりん」と、討入の決意を告げるのです。

「もはや迷いはない。安兵衛殿、江戸組においては着々と支度を始められよ」

「我らこの復讐の大義に命をかけるんだ!」

この場面、初めて見た時は涙が出ましたが、何度見ても胸が熱くなります。大好きな見どころです!

吉良邸討入の目的を確認した円山会議!固く結びつく同志たち

続くは、円山会議です。

内蔵助が討入を決意し、それを上方在住の同志たちに伝えます。堀部安兵衛は江戸組でしたが、上記の通り内蔵助に会いに来ていたので円山会議にも参加しています。

以下は、内蔵助が円山会議を言ったことの一部を抜粋しました。

「ことを挙げるに至ってはその目的をしっかり掴んでおいてもらいたい。我らが吉良を討つことは単に殿のお恨みを晴らし奉ることに止まらないのだ。
我らの芯の存念は幕府に対し異議を申し立てる事である。
喧嘩両成敗の慣例を何ら考慮することもなくただ吉良のみを是とし我が亡き殿の弁明を一切聞き入れずあまつさえ庭先において即日切腹を仰せつけた幕府の片落ちの処断に対し命を捨てて抗議するという事にある」
「元禄繚乱」第三十七回「幕府への反逆」より引用
この内蔵助の言葉を聞くや、同志たちはざわつきます。
「それはどういうことか?」
「御上に対し弓を引くのか?」
「吉良を討つ、それだけでよいではないか!」
小野寺十内(川辺久造)も顔色が変わっています。「我らの討入はすなわち反逆⁈」
そして、安兵衛は思い出します。岡島忠嗣が赤穂浪士の討入を「徒党を組んで吉良へ討ち入るは、すなわち御上への反逆じゃ」と言ったことを。
岡島忠嗣が内蔵助の思いを言い当てた事に安兵衛は驚きます。
もちろん、わしは吉良が憎い!殿が殿中で果たせなかったお恨みは我らが代わっておはらし申す。その上で幕府の片落ちの処断に対し断じて納得出来ぬものありと、世の人々に知らしめるのだ。わしは天下御政道に反抗する気だ!
「元禄繚乱」第三十七回「幕府への反逆」より引用
原惣右衛門(井川比佐志)と大高源五(辰巳琢郎)は、
「大夫、お言葉の全て得心致しましてございます」「大夫のお考え胸に響きまする」
小野寺十内も「我らの真の志そこにあると、しかと了解致しました。」
「いずれにしても、亡き殿のお恨みは必ずおはらし申す、この一点で我ら固く結びつこうではないか!」と堀部安兵衛。一同がそれに同意する。
この円山会議も必見です。
内蔵助の怖いほどの表情と、今までにない勢いある強い言葉。命をかけた固い決意
そして同志たちの心も固く、一つに結びいたこの場面、気持ちがスカッとしました。

赤穂浪士と知らず矢頭右衛門七(今井翼)と友になる吉良義周(滝沢秀明)

それはそうと、「元禄繚乱」にまだあどけない少年時代の滝沢秀明さんと今井翼さんが共演していたというのも見どころだと思います。

お二人ともまだセリフ回しや言葉遣いがたどたどしく、特にタッキーは6年後にあれほど素晴らしい義経役がよくできたなーと心から感服しました。

ところで、ドラマですが。

親思いの義周は、上野介を守るため、剣の腕を磨こうと道場に通い始めます。同じく、同志の方々の足手まといになってはいけないと剣の腕前を上げるために道場へ通い始める矢頭右衛門七。

矢頭右衛門七も討入に加わるはずであった亡き父の遺言を守り、ほぼ飲まず食わず命がけの旅で江戸にやって来ます。二人とも健気な若者です。

そんな二人は道場で出会い、お互いの素性が分からないまま仲良くなります。

そして、討入が近づき、右衛門七が道場を去ることを義周に告げると、義周は自分の屋敷に遊びに来て欲しいと誘います。屋敷に行って義周の素性を知り、気が動転するほど驚く右衛門七。

おまけに「我が家で仕官を考えてくださんか?」とまでいう義周。そのことを右衛門七が同志に報告すると、「吉良邸を探れ!!」と色めき立つ同志の面々。

そして、討入当日に吉良邸で出会ってしまう二人。義周は矢頭右衛門七の正体を知り愕然となります。

この義周と矢頭右衛門七の成り行きにも目が離せませんでした。討入ではいつ出会うのか?二人は切り合うのか?この成り行きも見どころです。

大石内蔵助の綿密で用意周到な作戦の数々①その綿密さ故に討入の大成功があった

さて、いよいよ討ち入りの前に討入に参加する全員が一堂に会し作戦会議が開かれます。

まず、表門方と裏門方、それぞれ二十五名とし、表門は数名の者、竹梯子を用いて、屋根に昇り、内側へ下りる。詰所の門番を捕らえて、口を封じてそこへ閉じ込める。
次に表門のかんぬきをはずし、全員が屋敷内に入り、再びかんぬきを閉める。

門内に入ってまずなすべきは、周囲の長屋をおさえること。屋敷内には百五十名の武者がおるものと思われるが、その大半は長屋住い。長屋の雨戸にかすがいを打ち込み、中から出られぬようにしてしまえば、相手の数を一気に減らすことができる。

最も肝要なのは、断じて一人で動いてはならぬということ。我らは皆が剣の達人ではない。されど、いかなる剣豪でも三方から同時に打ち掛かられてはその包囲を破るのは難しい。必ず三人ひと組で戦う。さらに腕の立つ者は友軍として助太刀する。

また屋敷内に入りし後は大音声を上げ、大人数であるように見せかける。
裏門は木槌で門を打ち破る。大きな音が響こう。従って表門より進入を確かめた上で始める。

合言葉は山と川でいかがであろう。山と川に恵まれた赤穂に相応しかろう。

出典:「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(討入)NHK出版

上記のように、討入の時の作戦はもちろんのこと、以下のように実に用意周到で、細かいところまで行き届いています。

・討ち取った吉良の首を泉岳寺に持って行く道中、幕府の役人が来たらどうするか?
・同志が命を落とした場合はどうするのか?
・泉岳寺に向かう時の近隣の人々への対応は?
・吉良か上杉の追手が来たらどうするのか?

絶対に失敗は許されないですし、浅野本家取り潰しを企む柳沢の陰謀を打ち砕く為、討ち入った後の事まで考える内蔵助。

おまけに、吉良を討ち損じた時のことまで計算尽くされていました。

吉良を取り逃がしたり、吉良と思っていた人物が別人だったら?これは高い可能性であり得る事です。現に色部は小林平八郎(誠直也)を吉良の身代わりに仕立てていました。

一部の同志たちは「そんなことは絶対にない!」「必ず吉良の首を取る!」等と息巻いていますが、失敗する事もありえます。失敗した時どうするか?

この事の内蔵助の答えも、その理由も実に立派で納得しました。さすが大石内蔵助様!!です。皆も涙ながらに納得しました。

ここまで考えたからこそ、討入の大成功があったのだと心から納得しました。

大石内蔵助の綿密で用意周到な作戦の数々②:生きていく上でのヒントになります

ところで、他の「忠臣蔵」関係のドラマでここまで詳しく作戦場面を見たことがなかったので、この場面には本当に感動しました。

今まで、何度か「元禄繚乱」を視聴していますが、見る度に新しい発見があり、また仕事や生きていくうえでのヒントをもらっています。

特に、この「元禄繚乱」の内蔵助の緻密な作戦と、「こんな場合はどうするか?」と様々なパターンを考えている場面は考えさせられ感心もしました。

個人的な事ですが、個人事業主で仕事を始めてからは、何かをする前の「準備」でその事が成功するかどうか決まるなとつくづく感じます。

それに、普段からどのくらいその事を考えシュミレーションしているかがすごく重要だと考えます。

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徳川綱条の名を騙り内蔵助と会う将軍綱吉①:内蔵助の人物

さて、綱吉は、赤穂浪士の討入後、彼らの処分に悩んでいました。

そこで、内蔵助に会えば正しき沙汰を下せると思った綱吉。ある日、細川越中の守(菅原文太)を呼び、内蔵助の人物について尋ねました。

「大石内蔵助は一党の頭領として懐深き人物慎重にして思慮に富み情けにも厚く鉄のように固い信念を秘めたる男でございます」と越中の守。

そして、綱吉は身分を隠し細川家で内蔵助に会う事にしました。御三家の水戸徳川綱条の名を騙って内蔵助に対面したのです。

綱条の振りをした綱吉は内蔵助に「このまま英傑としてお咎めなしと、許されるかも知れぬ。その折は如何致す?」

「さような事はあり得ぬことでございまする。考えたこともございませぬ。」

綱吉は更に、「ざっくばらんに胸の内を話すがよい、必ず上様に伝える。」等とねばって聞いてきました。

徳川綱条の名を騙り内蔵助と会う将軍綱吉②:堂々と意見する内蔵助!

ともあれ、最初は意見する事をもちろん固辞していた内蔵助。しかし、意を決した内蔵助は、「さすれば、上様にお伝え願いとうございます。」と綱吉に思いの丈をぶつけます。

敵討ち、討入の真の目的は、「浅野家への処罰に端を発した上様への異議申し立てが筋である事、公正なるお裁きもご吟味もなされなかった。」とはっきり言います。

しかし、それだけではなく、綱吉の政治批判まで堂々と言ってのけます。

お取り潰しや改易は大小合わせ四十八家。悪法生類憐みの令、貨幣改鋳で民の暮らしが疲弊したこと、大奥の乱れ、賄賂、横領、などなど。

はっきり、散々と意見しました。

そして最後には、「吉良殿を討ち取りました事、かよう堕落果てなき元禄の世の御政道に対するわれら精一杯の抗議。それにつきましてございまする。」と締めました。

もう、このシーンは、心からスカッとしました!ドラマの将軍綱吉(萩原健一)には憤りのシーンが多かったので、本当にこの最後の場面はこの「元禄繚乱」にふさわしく拍手喝采でした。

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1999年大河ドラマ「元禄繚乱」豪華キャストと赤穂浪士たち!:まとめ①

さて、今回のブログでは、1999年大河ドラマ「元禄繚乱」の豪華キャストと赤穂浪士の方々を中心にご紹介しました。

「元禄繚乱」には大河ドラマで主演をされた以下の豪華な俳優さんが出演されています。

   石坂浩二 1969年「天と地と」(上杉謙信役)、1975年「元禄太平記」(柳沢吉保役)
 ・東山紀之 1993年「琉球の風」(楊啓泰役)
 ・村上弘明 1993年「炎立つ」の第二部(藤原清衡役)
 ・滝田栄 1983年「徳川家康」(徳川家康役)
 ・中村梅之助 1977年「花神」(大村益次郎役)
 ・菅原文太 1980年「獅子の時代」(平沼銑次役)
 ・中村橋之助 1997年「毛利元就」(毛利元就役)
 ・滝沢秀明 2005年「義経」(源義経役)
 ・宮崎あおい 2008年「篤姫」(篤姫役)
 ・阿部サダヲ 2019年「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(田畑政治役)

出典:「NHK大河ドラマ大全 50作品徹底ガイド」 NHK出版、DVD「元禄繚乱」完全版より

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1999年大河ドラマ「元禄繚乱」豪華キャストと赤穂浪士たち!:まとめ②

そして、大石内蔵助をはじめとして、堀部安兵衛、不破数右衛門、大高源五、岡野金右衛門、大石主税、矢頭右衛門七、神崎与五郎、前原伊助等、赤穂浪士の方々もご紹介しました。

加えて、「忠臣蔵」には欠かせないこの方々、浅野内匠頭、吉良上野介、柳沢吉保(柳沢出羽守保明)など、キャストを中心にご紹介しました。

「元禄繚乱」は、広くて深い作品で、今回の「見どころ」だけでは全く不十分です。また別ブログでもご案内したいと思います。

それでは、最後に、以下をご案内します。

赤穂浪士のゆかりの地のブログもご紹介します。ご覧頂ければ嬉しいです。

このブログが読んで下さった方のお役に立てましたら幸いです。

出典
・アイキャッチ画像:「赤穂大石神社「忠臣蔵」」TAKASANshotさんによる写真ACからの写真
・「NHK大河ドラマ大全 50作品徹底ガイド」 NHK出版
・「プレイバックNHK大河ドラマ時代・人物・トピックス別徹底ガイド」 NHK出版
・「元禄繚乱」NHK大河ドラマ・ストーリー(前編・後編・討入)NHK出版
・NHNDVD「元禄繚乱」完全版第壱集、第弐集冊