「どうする家康」茶々役と大河ドラマの歴代茶々

大河ドラマ

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2023年「どうする家康」では北川景子さんが「お市の方」と「茶々」の二役をやっていますね。この着想は新しい!と思いました。

ところで、二役ではないですが、あの夏目雅子さんも1981年「おんな太閤記」でお市の方を、1983年「徳川家康」で茶々を演じています。

今回のブログでは、「どうする家康」茶々役北川景子さんと、大河ドラマの歴代茶々をご紹介します。

そして、歴代茶々の中で、特に下記3作品の茶々についてご紹介したいと思います。

・1981年『おんな太閤記』池上季実子さん
・1983年『徳川家康』夏目雅子さん
・2011年『江~姫たちの戦国~』宮沢りえさん

当ブログ運営者は、大河ドラマ視聴歴40作品以上で、大河ドラマを見ることが趣味の就労ビザを専門としている行政書士です。

また、旅行の添乗員、中国語の全国通訳案内士の経験もあります。

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2023年『どうする家康』の茶々:北川景子

まず、最初に、2023年『どうする家康』の茶々です。

「どうする家康」で北川景子さんが「茶々」を演じるのではないか?

このことも、視聴者にはけっこう前からわかっていたと思います。

徳川家康が主人公の場合、お市の方より、淀殿(茶々)が重要人物であることは戦国時代が好きな人なら誰でも知っています。

なので、茶々役はもっと早くに発表されるのが普通だと思うのです。

ところが、いつまで経っても発表されない。
前半でお市の方と家康の「縁(えにし)」エピソードが多すぎる。

戦国時代ファンなら「お市の方と茶々は、北川景子さんの二役か?」と予測するでしょう。

更に言えば、もしかしたら主人公を徳川家康に決め、脚本家を決めた時から「お市の方」と「茶々」を二役にするつもりだったのか?とも思いました。

いづれにしても、お市の方と茶々を同じ人物に演じさせるという画期的な着想には喜びを感じました。

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「常軌を逸した」エキセントリックな茶々

ところで、北川景子さんの茶々ですが。

「常軌を逸した」というか、エキセントリックな茶々という印象。その場面は?

その1:秀吉の臨終の時の茶々

秀吉の呼び鈴を遠ざけて、血みどろで苦しむ秀吉に、何を言い出すやら。

「秀頼はあなたの子だとお思い?」

「秀頼はこの私の子!天下は渡さぬ」

「後は私に任せよ、猿!」茶々に憑依したお市の方が表れたか?

ふと、我に返り涙ながらに秀吉にしがみつく茶々。

自分をコントロールできなくなっているのか?よく分からない。

その2:家康の手を取り涙ながらに家康に迫る茶々

家康に対しても、何を言い出すのやら。

「茶々はずっと思っておりました」「まことの父はあなた様なのかもと」

「父上だと思ってお慕いしてもようございますか」

「茶々はあなた様に守って頂きとうございます」

その3:平手打ちをくらわす茶々

関ヶ原の戦いで西軍が破れ、総大将毛利輝元(吹越満)に平手打ちをくらわした茶々。

先に、阿茶局(松本若菜)にかなりの痛手になる超不愉快な思いをさせられたからか?

壮絶な表情と平手打ち。「そなたを頼った私の過ちよ、去れ!」

何を言うのか、何をするのか、分からない恐ろしい茶々。しかし、やはり惹かれる北川景子さん。

お市の方と茶々、憑依?二人で一人?織田家の天下を奪還?

さて、北ノ庄落城の時。お市の方(北川景子)茶々(白鳥玉季)の場面です。

秀吉から「織田家の天下」を奪われまいとする凄まじい執念のお市の方。

「誇り高き織田家の娘」であることをずっと心の支えにしていたお市。

死ぬ間際も他の大河ドラマと違い、「柴田勝家(吉原光夫)を愛し共に死ぬ」の気持ちはなく、夫の勝家は「家来」扱い。どこまでも大切なのは「織田家の天下」。

「織田家は死なん。その血と誇りは、わが娘たちがしかと残していくであろう」

そこへ茶々の登場。お市の方に抱き着く。

その母の執念が茶々に憑依したのか、お市の織田家にかける執念が茶々に乗り移ったと思われる場面。

「母上の無念は茶々がはらします、茶々が天下を取ります」

真っ直ぐに、強く、静かに言う茶々。

お市が茶々に憑依して二人で、織田家の天下を秀吉や家康から奪還するドラマなのでしょうか?

ところで、「どうする家康」は「新解釈?」「現代風のアレンジ?」が多いのか、様々な新解釈アレンジが「往年のファン」の私には、正直しんどいドラマです。

大河ドラマの歴代「茶々役」一覧:20世紀編

それでは、次に、大河ドラマの歴代「茶々役」をご紹介します。茶々(淀殿)が登場する大河ドラマの作品一覧9作品。まず、20世紀からです。

・三田佳子 1965年『太閤記』➡U-NEXT42回のみ
(主人公:豊臣秀吉 演:緒形拳)
・岸田今日子1971年『春の坂道』➡U-NEXT52回(最終回)のみ
(主人公:柳生宗矩 演:萬屋錦之介)
・藤村志保 1978年『黄金の日日』
(主人公:呂宋助左衛門 演:松本白鸚)
・池上季実子1981年『おんな太閤記』
(主人公:ねね 演:佐久間良子)
・夏目雅子 1983年『徳川家康』
(主人公:徳川家康 演:滝田栄)
・樋口可南子1987年『独眼竜政宗』
(主人公:伊達政宗 演:渡辺謙)
・大空真弓 1989年『春日局』
(主人公:春日局 演:大原麗子)
・松たか子 1996年『秀吉』
(主人公:豊臣秀吉 演:竹中直人)
・小川真由美2000年『葵徳川三代』
(主人公:徳川家康・秀忠・家光 演:津川雅彦・西田敏行・尾上辰之助)

大河ドラマの歴代「茶々役」一覧:21世紀編

続いて、21世紀に入ってから。
歴代茶々と、茶々(淀殿)が登場する大河ドラマの作品一覧8作品です。

・瀬戸朝香 2002年『利家とまつ ~加賀百万石物語~』
(主人公:前田利家・まつ 演:唐沢寿明・松島菜々子)
・若尾文子 2003年『武蔵MUSASHI』
(主人公:宮本武蔵 演:市川海老蔵)
・永作博美 2006年『功名が辻』
(主人公:山内一豊・千代 演:上川隆也・仲間由紀恵)
・深田恭子 2009年『天地人』
(主人公:直江兼続 演:妻夫木聡)
・宮沢りえ 2011年『江~姫たちの戦国~』
(主人公:江 演:上野樹里)
・二階堂ふみ2014年『軍師官兵衛』
(主人公:黒田官兵衛 演:岡田准一)
・竹内結子 2016年『真田丸』
(主人公:真田丸 演:堺雅人)
・北川景子 2023年『どうする家康』
(主人公:徳川家康 演:松本潤)

ところで、上記ご紹介しました17作品は、短編(『太閤記』・『春の坂道』)、全編(左記以外の15作品)含め全作品が、U-NEXTで視聴可能です。

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歴代茶々の中で特に印象に残る3人の茶々

それでは、ここからは、上記ご紹介した歴代17作品の中で、特に印象に残る3人の茶々をご紹介させてください。

・池上季実子『おんな太閤記』
➡私にとっては茶々=池上季実子さん!
・夏目雅子『徳川家康』
➡もしかしたら一番史実に近いかも?と思った茶々
・宮沢りえ『江~姫たちの戦国~』
➡親の仇秀吉を好きになる聡明な茶々

1981年『おんな太閤記』の茶々:池上季実子

まず、最初は、1981年『おんな太閤記』の茶々、池上季実子さん。

『おんな太閤記』は歴史ドラマというよりは、ホームドラマで楽しめる、すごくわかりやすい作品でした。
さすが、橋田壽賀子作品です。

主人公は豊臣秀吉の正室ねね。この作品の印象が強すぎて、私にとっては、いまだに、ねね=佐久間良子さん、茶々=池上季実子さんです。

この作品をご覧になった視聴者は「ねね=佐久間良子さん、茶々=池上季実子さん」の方、絶対多いと思います!

ところで、別ブログでも大河ドラマ「おんな太閤記」をご紹介しています。ご覧頂ければ嬉しいです。

織田信長の姪で最初から最後まで誇り高い淀殿

さて、『おんな太閤記』では茶々は、主人公ねね(佐久間良子)の敵役です。

登場時は北ノ庄落城でしたが、母お市の方との別れでは悲しさはまったく感じられません。

「私は母様のように人のためには生きません。自分の思うように、自分のために生きていきます」と涙もなくきっぱりと言います。

茶々の、とにかくほぼ無表情な能面のような顔。コワイです。そして、強情な気位の高さ。

言葉をあまり発しませんが、その能面のような表情から、秀吉(西田敏行)への恨みが十分に伝わってきます。

この作品の茶々は「父と母を殺されて家を滅ぼされたかわいそうな茶々」ではありません。

かといって、「江~姫たちの戦国~」や「どうする家康」の茶々のように怒りや復讐心を抱くわけではありません。

しかし、自分の意思と自尊心から「織田信長の姪で天下人の妻。最初から最後まで誇り高い淀殿」です。

池上季実子さんはこの作品での茶々を見事に演じられていました。池上季実子さんは当時多分22歳位のはず!この圧倒的な存在感!小学生の私にはかなりの衝撃でした。

「天下人の姪、天下人の妻、天下人の母」が人生の茶々

実は、この作品では「秀吉の側室になる前の茶々の恋ごころエピソード」があります。

秀吉は織田信長の四男於次秀勝(草見潤平)を養子にしていました。その秀勝と茶々は相思相愛の仲だったのです。

その物語からも茶々にとって信長は父浅井長政(風間杜夫)の仇ではなく、自分の「よりどころ」だった気がします。

しかし、その秀勝が病死します。秀吉は嘆き悲しむ茶々を慰めます。

「秀勝の思い出話をお聞かせします」等と言って茶々に接近し始めるのです。

茶々も登場時は「筑前め!」と秀吉の事を嫌っていました。

しかし、秀勝の死後は「関白殿下は信長様の御志を継がれて天下に号令なされるお方」と言い始めます。

結局、茶々から「おそばにおいてください」と言って秀吉の側室になるのですが、「秀吉を愛した」というより、「権力を愛した」という印象でした。

この作品の茶々にとっては「天下人の姪、天下人の妻、天下人の母」が人生だったのかなと思わせられました。

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1983年『徳川家康』の茶々:夏目雅子

次に、1983年『徳川家康』では茶々の役は夏目雅子さん。

今からちょうど40年前の作品「徳川家康」。今年の大河ドラマ「どうする家康」と同じく主人公は徳川家康。

この作品は「戦国の超大作」でした。戦国絵巻のように出演者が豪華でかっこよく、登場人物が魅力的なのです。

主役や主要人物が素敵なのは当然です。このドラマのすごさは、主要人物以外も見ごたえ充分なところです。

敵役のはずの人にも、それぞれ惹きつけられる細やかなドラマがあります。悪役はかわいそうなほど悪役ですが、その背景の事情が歴史の勉強になりました。

さすが、原作が山岡荘八。脚本が小山内美江子!

放送終了後もドラマの中に浸れました。

一番普通な女性と思った茶々

さて、『徳川家康』の茶々は「どうする家康」、「おんな太閤記」、「江姫たちの戦国」の3作品のように「秀吉を恨んでいる」ような場面はあまりありません。

茶々は、自然に、流れるまま側室になったようなかんじです。

その後も、他の3作品の茶々と比べてかなり「普通」の女性に描かれています。

関ヶ原の後の自分の身の上も、常識的に受け入れているところが、他のドラマの茶々と違うところです。

関ケ原で西軍が負けた時も、秀頼と共に自害を考え、生きながらえる事が出来た後も、自ら「世捨て人」と言います。

秀頼が右大臣になれたのも、亡き父太閤殿下が家康殿に自分たちの事をしっかり頼んでくれたおかげ、と謙虚に感謝します。

しかしながら、徳川の下になるのは我慢ならず、酒におぼれたり家臣に八つ当たりしたり。

そして、その時の感情にまかせて、言う事が良く変わる。感情の起伏もある。とても「普通」な女性です。

普通な女性茶々が複雑な時代に巻き込まれた?史実に近いかも?

ところで、茶々は血筋が特別な上に身の上が複雑なので、かなりドラマチックに描かれています。

しかし、この「徳川家康」のドラマを見ると、茶々というより、この時代こそが、複雑な時期だったのだろうと思ってしまいました。

武士だけでなく、商人等含め様々な人の思惑。外国人の覇権争いや布教等。

それらがあり、茶々は、歴史上の出来事(関ケ原戦・大坂の陣)に巻き込まれた「普通の女性」であったのではないか?とも思えてきます。

そして、実は、もしかしたら、一番史実に近い茶々なのではないか?とも思いました。

それはさておき、光り輝く美しさと気品のある「普通ではない」夏目雅子さんのような女優さんが、「普通の女性」茶々を自然に演じておられたことにも感動しました。

夏目雅子の「お市の方」と「茶々」

そして、実は、夏目雅子さんも「お市の方」と「茶々」を演じていました。

若い方は夏目雅子さんを知らないかもしれませんが、若くして亡くなられた、演技力と気品があるすごく美しい女優さんです。

以前、歴代お市の方をご紹介したブログにも夏目雅子さんのことは書いています。良かったらご覧ください。

夏目雅子さんも、1981年「おんな太閤記」でお市の方を、1983年「徳川家康」で茶々を演じていました。

夏目雅子さんのお市は「悲劇のヒロイン」だけでなく、自分の意思と信念をもった凛とした美しさが輝くお市の方です。

当時、夏目雅子さんは、22か23歳。なのに、北ノ庄落城で娘たちと別れる時は、「母親」にしか見えず、その圧倒的な存在感は際立っていました。

そして、夏目雅子さんの茶々は上記しましたが、「流れのままに側室になったと思われる普通の女性」という印象です。

常識的なのに、その時の気分で発言や行動が変わって自分をコントロールできなくなったりします。

他の3作品の茶々と比べると、一番普通なのに、周りの争いに巻き込まれた「悲惨な被害者」茶々です。

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2011年『江~姫たちの戦国~』の茶々:宮沢りえ

そして、最後は、2011年『江~姫たちの戦国~』の宮沢りえさん。

ちなみに、1989年「春日局」で、宮沢りえさんは茶々の妹「初」の少女時代を演じています。

このドラマの主人公は「浅井三姉妹」の末娘の「江」。大河ドラマによって「お江与」とも言われています。原作/脚本は田淵久美子さん。

題名が「江~姫たちの戦国~」であるので、江を中心に、お市、茶々、初もクローズアップされています。

このドラマも、ちょっと「新解釈?」「現代風のアレンジ?」と思われる部分もありました。でも感情移入する場面も多く面白かったです。

茶々が親の仇秀吉を好きになる過程に時間を割く恋愛ドラマ

ところで、そもそも、茶々が秀吉(岸谷五朗)の側室になったのは、何故か?

「どうする家康」含め、歴代の大河ドラマでは、「天下人秀吉」の権力に惹かれて、或いは、「天下人」だからこそ、「好き」になったように、サラリと描かれています。

それは、主人公が茶々ではないので当然かと思います。

ですが、この『江~姫たちの戦国~』は、茶々は「準主役」です。

そのためか、「姫の一人」茶々の恋愛ストーリーに比重がかかっています。茶々は、一人の男性として純粋に秀吉が好きなのだと思いました。

ここが、他の大河ドラマ3作品と違うところだと思います。

とても聡明で美しい茶々と、とことん一途で普通の秀吉の「恋愛ドラマ」というかんじです。

親の仇の「殺してやりたいほど憎い」秀吉に惹かれていく物語に、充分な時間を割き現代ドラマのように描かれています。

さて、このドラマの茶々ですが、個人的には、歴代大河作品の中で一番聡明な茶々のような気がします。

賢くて、優しくて、良識のある、いわゆる「優等生」な茶々です。

なのに「親の仇」と憎んだ秀吉を好きになること、茶々本人も、すごく苦しみ、受入れるのが大変だったと思います。

尚、「江~姫たちの戦国~」のお市の方については、以下のブログでご紹介しています。ご覧頂けると嬉しいです。

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「どうする家康」茶々役と大河ドラマの歴代茶々:まとめ

さて、今回のブログでは、2023年大河ドラマ「どうする家康」お市の方役と茶々役の北川景子さんと、大河ドラマで歴代茶々役を演じた女優さんをご紹介しました。

また、歴代茶々の中で、1981年『おんな太閤記』池上季実子さん、1983年『徳川家康』夏目雅子さん、2011年『江~姫たちの戦国~』宮沢りえさんの3人について、特にご紹介しました。

尚、今回のブログでご紹介しました17作品は、短編(『太閤記』・『春の坂道』)、全編(左記以外の15作品)含め全作品が、U-NEXTで視聴可能です。

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是非、ご一緒に「大河ドラマ」を楽しみましょう!
ところで、茶々の父、浅井長政についても、別ブログでもご紹介しています。
ご参考までに、ご覧頂けると嬉しいです。
このブログが読んで下さった方のお役に立てましたら幸いです。

出典:
「NHK大河ドラマ大全 50作品徹底ガイド」 NHK出版
「プレイバックNHK大河ドラマ時代・人物・トピックス別徹底ガイド」 NHK出版
アイキャッチ画像出典:「浅井三姉妹」「ヨコちゃんさんのプロフィール」による写真ACからの写真